2014年06月22日

感染性心内膜炎について(2)

●感染性心内膜炎について(2)


●分類

感染性心内膜炎は,無痛性かつ亜急性の経過をたどることもあれば,急激な代償不全に至る可能性が高い,より急性かつ劇症の経過をたどることもある。



●亜急性細菌性心内膜炎(SBE)は侵襲性であるが,通常は潜行性に発症し,緩徐に(すなわち,数週間から数カ月かけて)進行する。

しばしば,感染源や侵入門戸は明らかでない。

SBEは,最も一般的にはレンサ球菌(特に緑色レンサ球菌,微好気性と嫌気性レンサ球菌,非腸球菌D群レンサ球菌,および腸球菌)によって起こり,一般的ではないが,黄色ブドウ球菌,表皮ブドウ球菌,および選好性の ヘモフィルス属によって起こる。

SBEは,しばしば歯周,消化管,または泌尿生殖器の感染による無症状の菌血症を発症後,異常な弁に生ずる。



●急性細菌性心内膜炎(ABE)は通常,突然発症し,急速に(すなわち,数日間かけて)進行する。

感染源や侵入門戸はしばしば明らかである。

細菌の病原性が高い場合や細菌に大量に暴露した場合は,正常な弁にABEが生じることがある。

ABEは通常,黄色ブドウ球菌,A群溶血性レンサ球菌,肺炎球菌,または淋菌によって起こる。



●人工弁心内膜炎(PVE)は,弁置換術を受けて1年以内の患者の2〜3%に生じ,それ以後には年0.5%で生じる。

僧帽弁よりも大動脈弁の弁置換術後に起こりやすく,機械弁も生体弁も同等に罹患する。

早期発症の感染症(術後2カ月未満のもの)は,抗菌薬耐性の微生物(例,表皮ブドウ球菌,類ジフテリア菌,大腸菌型桿菌,カンジダ属,アスペルギルス属)による術中の汚染によって主に引き起こされる。

晩期発症の感染症は,病原性が低い微生物による術中の汚染や,一過性の無症候性の菌血症により主に引き起こされ,しばしばみられる微生物にはレンサ球菌;表皮ブドウ球菌;類ジフテリア菌;および選好性グラム陰性桿菌,ヘモフィルス属,アクチノバシラス-アクチノマイセテムコミタンス,およびカルジオバクテリウム-ホミニスがある。

ラベル:心臓の病気
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『膵炎』とは? 「膵炎」を英語にすると?

問題1.次の文章のかっこは何番が入るか?

膵炎は急性膵炎と慢性膵炎に大別される。
急性膵炎は種々の原因で活性化された膵酵素により
膵の( A )が起こり、膵やその他の主要臓器に
炎症と組織障害がひき起こされるものである。

(1)自己消化

(2)他者消化









=================
   正解
=================

(1)自己消化







問題2.次の文章のかっこは何番が入るか?

慢性膵炎は膵の持続的な炎症により、多くは( A )に
線維化と実質の脱落が生じる。

(1)可逆的

(2)不可逆的








=================
   正解
=================

(2)不可逆的








問題3.次の文章は正しいか?

膵炎の成因としては急性膵炎、慢性膵炎ともに原因不明の
特発性が最も多く、ついでアルコール性が多い。

(1)正しい  (2)間違い









=================
   正解
=================

(2)間違い

正しくは「膵炎の成因としては急性膵炎、慢性膵炎ともにアルコール性が最も多く、
約半数を占める。ついで原因不明の特発性が多い(1/4〜1/3)。」









問題4.「膵炎」を英語にすると?

(1)gastritis

(2)hepatitis

(3)pancreatitis









=================
   正解
=================

(3)pancreatitis

*(1)gastritis=胃炎
*(2)hepatitis=肝炎


ラベル:膵炎
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2014年06月19日

感染性心内膜炎について

●感染性心内膜炎について

感染性心内膜炎とは心内膜の感染症であり,通常は細菌(一般的にはレンサ球菌およびブドウ球菌)または真菌による。

感染性心内膜炎は,発熱,心雑音,点状出血,貧血,塞栓現象,および心内膜の疣贅を引き起こす。

疣贅は弁の機能不全や閉塞,心筋膿瘍,または真菌性動脈瘤を引き起こしうる。

診断には血中微生物の証明,および通常は心エコー検査が必要である。

治療には長期にわたる抗菌薬療法を用い,ときに手術を施行する。

心内膜炎は年齢を問わず起こりうる。

男性は女性の約2倍の割合で罹患する。

静注薬物乱用者や免疫不全状態の患者は最もリスクが高い。



●感染性心内膜炎の病態生理と病因

正常な心臓は感染に対して比較的抵抗力がある。

細菌および真菌は心内膜表面に容易には付着せず,一定の血流が菌の心内膜組織への定着を防ぐ助けとなる。

したがって,心内膜炎には一般的に2つの要因,すなわち素因となる心内膜の異常および血流中の微生物(菌血症)が必要である。

まれに,重篤な菌血症または特に病原性の高い微生物により,正常な弁に心内膜炎が生じる。




●心内膜に関する要因:

心内膜炎は通常,心臓弁を侵す。

主な素因は,先天性心臓欠陥,リウマチ性の弁膜症,二尖弁または石灰化した大動脈弁,僧帽弁逸脱,肥大型心筋症である。

人工弁は特にリスクが高い。ときに壁在血栓,心室中隔欠損,動脈管開存部位に感染することがある。

実際の感染病巣は通常,傷害された内皮細胞が組織因子を放出する際に形成される無菌性のフィブリンと血小板の疣贅である。

感染性心内膜炎は左心系に生じることが最も多い(例,僧帽弁または大動脈弁)。

症例の約10〜20%は右心系である(三尖弁または肺動脈弁)。

静注薬物乱用者は右心系の心内膜炎の発生率がはるかに高い(約30〜70%)。



●微生物:

心内膜に感染する微生物は,遠隔の感染部位(例,皮膚膿瘍,UTI)に由来する場合もあるが,中心静脈カテーテルまたは薬物注射部位など侵入門戸が明らかな場合もある。

植え込まれた異物(例,脳室または腹腔シャント,器具)はほとんどどのようなものでも細菌コロニー形成のリスクを有するため,菌血症ひいては心内膜炎の感染源となる。

心内膜炎は,侵襲的な歯科的,内科的,外科的な手技において典型的に起こる無症候性の菌血症によっても生じうる。

歯肉炎患者においては歯磨きや咀嚼で菌血症(通常は緑色レンサ球菌による)が生じることもある。


原因菌は感染部位,菌血症の感染源,宿主の危険因子(例,静注薬物の乱用)により異なるが,全体としては80〜90%の症例がレンサ球菌および黄色ブドウ球菌に起因する。

腸球菌,グラム陰性桿菌,HACEK微生物(グラム陰性桿菌: HACEK群感染症を参照 および心内膜炎: 心内膜炎に対する抗生物質療法),および真菌がその他のほとんどの症例の原因菌となっている。

なぜレンサ球菌およびブドウ球菌が疣贅にしばしば付着し,なぜグラム陰性好気性桿菌がめったに付着しないのかは不明である。

しかしながら,フィブロネクチンに対する黄色ブドウ球菌の付着能は,緑色レンサ球菌によるデキストラン生成と同様に一定の役割を果たしている可能性がある。

微生物は疣贅にコロニーを形成した後,フィブリンや血小板の層で覆われ,好中球,免疫グロブリン,および補体の接触を受けないようになり,これによって宿主の防御機構を遮断する。



●結果: 心内膜炎の結果は局所および全身に生じる。

局所に生じる結果には,組織破壊を伴う心筋膿瘍の形成,ときに伝導系の異常(通常は中隔下部の膿瘍を伴う)などがある。重度の弁逆流が突然生じ,心不全や死亡に至る場合がある(通常は僧帽弁または大動脈弁病変による)。隣接部位への感染の波及が大動脈炎をもたらすことがある。人工弁感染は特に,弁の閉塞,裂開,および伝導障害の所見を呈する弁輪膿瘍,閉塞性疣贅,心筋膿瘍,真菌性動脈瘤を生じやすい。

全身に生じる結果は主に心臓弁から遊離した感染物質の塞栓形成が原因となり,主に慢性感染症,免疫介在性の現象にみられる。右心系病変は,典型例では敗血症性肺塞栓を生じ,肺梗塞,肺炎,または膿胸に至ることがある。左心系病変は,あらゆる臓器,特に腎臓,脾臓,中枢神経系の塞栓を招く。真菌性動脈瘤はどの主要動脈にも形成されうる。皮膚および網膜の塞栓が一般的にみられる。びまん性糸球体腎炎は,免疫複合体の沈着が原因となって生じる場合がある。


ラベル:心臓の病気
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定期的ワクチン接種について(その3)

●定期的ワクチン接種について(その3)

旅行者の予防接種:

感染症が風土病である地域の旅行には予防接種が要求されることがある。

米国疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention)から情報が提供され,24時間体制のテレホンサービス(404-332-4559)およびウェブサイト(www.cdc.gov/travel/vaccinat.htm)を終日利用できる。



●リスク,制限,およびハイリスクグループ

生きている微生物を使った生ワクチンは,期待される抗体産生に干渉する恐れのある血液,血漿,免疫グロブリンと同時投与するべきではなく,そのようなワクチンは理想的には免疫グロブリン投与の2週間前または6〜12週間後に投与するべきである。


免疫不全患者は重度のまたは致死的な感染症を引き起こす恐れがあるため,生ウイルスワクチンを投与してはならない。

短期間(すなわち,14日未満)の免疫抑制療法(例,コルチコステロイド,代謝拮抗薬,アルキル化薬,放射線)を受けている患者においては,治療終了まで生ウイルスワクチンを控えるべきである。



長期間の免疫抑制療法中の患者に対してDTaPまたはDTwPなどの不活性化ワクチンを投与することがあるが,免疫抑制療法終了から3カ月以上経過後に不活化ワクチンの追加用量を投与するべきであり,またこの時期に生ウイルスワクチン投与を行ってもよい。



無脾症患者は通常,肺炎レンサ球菌,髄膜炎菌,またはインフルエンザ菌b型に起因する重篤な細菌感染に罹患しやすい。

彼らにはHbCVワクチン,髄膜炎菌多糖体ワクチン,年1回のインフルエンザワクチン,肺炎球菌結合型(5歳未満の場合)または多糖体(5歳以上の場合)ワクチンを投与するべきである。

臓器移植実施前の患者には適切なワクチン接種を全て行うべきである。

造血細胞の移植を受けた患者は未免疫であると考え,適切なワクチンを全て反復投与するべきである。




AIDS患者には一般に不活化ワクチン(例,DTP,IPV,HbCV)を投与するべきであり,通常は生ウイルスおよび生菌ワクチン(例,麻疹-ムンプス-風疹,OPV,BCG)を投与してはならない。

しかしながら,もし免疫抑制が重度でなければ麻疹-ムンプス-風疹ワクチンを例外としてもよい。

AIDS患者において,自然発生する麻疹は重症でしばしば致死的な感染症の原因となりうるが,麻疹-ムンプス-風疹ワクチンが重篤な合併症を引き起こすことはまれである。

AIDS患者にはルーチンの推奨に従ってワクチン接種を行うべきである。




ワクチンのリスクを患者に説明するべきである。

親は子供のワクチン接種に関する同意書を提出する必要がある。

米国では,定期的ワクチン接種後に発生した特定事象を製造業者,米国保健福祉省(Department of Health and Human Services),米国疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention)のワクチン副作用報告システム(Vaccine Adverse Event Reporting System)(VAERS)に報告しなければならない。

書式および記入要領は電話800-822-7967(保健福祉省,Department of Health and Human Services)で,またはウェブサイト(www.vaers.org)から入手できる。



39°Cを超える体温はワクチン接種の延期を必要とするが,感冒などの軽症の感染では(微熱を伴う場合も)延期の必要はない。

細胞培養系で生産される一部のワクチンは微量の卵抗原を含む。

卵アレルギーはしばしばこれらのワクチンの禁忌とされるが,パンまたはクッキーのような卵を含む食物を摂食できる患者においては,これらのワクチンは重大な有害反応を引き起こさないようである。

その他のアレルギー反応の既往では,ある種のワクチンが使用禁止となりうる。



妊娠は麻疹-ムンプス-風疹,肺炎球菌性肺炎,水痘および他の生ウイルスワクチン接種の相対的禁忌である。

一部のワクチンに含まれる水銀ベースの防腐剤,チメロサールの乳児に対する安全性の問題が提起されているが,有害性の証拠はない。

それにもかかわらず,ほとんどの製造業者がチメロサールを含まない乳児用ワクチンを開発している。



ギラン-バレー症候群のような変動性または進行性の神経学的疾患を有する患者は,脳を刺激するリスクがあるため,状態が少なくとも1年間安定するまではワクチンを接種してはならない。

もし神経学的疾患が安定しているなら,ワクチン接種を通常どおり進めるべきである。

多発性硬化症におけるリスクは知られていない。


以上


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2014年06月17日

定期的ワクチン接種について(その2)

●定期的ワクチン接種について(その2)


●麻疹,流行性耳下腺炎(ムンプス),風疹:

このワクチンは1種類の中に弱毒生ウイルスが混合されており,接種者の95%において各ウイルスに対する保護抗体を産生させ,おそらくは生涯免疫を獲得させる。

このワクチンは全ての小児に対し2歳までに投与するべきである。

成人で感染のリスクがあるのは,このワクチンの接種歴が全くない人および自然感染の既往が全くない人である。



一般に,1956年以前に出生した人々は,その小児期に,いたる所で感染が発生していたことから,免疫があると考えられている。

1956年以降に出生した人々の場合は,もし免疫状態が不明で暴露する可能性が高ければ(例,大学生,医療従事者)混合ワクチンを接種するべきである。

このワクチンの成分は個別に接種できるが,1種類のワクチンを必要とする人はおそらく3種類全てを必要とすると思われるため混合形式の方が好ましく,ワクチン再接種により特にリスクは生じない。



麻疹(はしか)のワクチン接種は受動的に獲得した母親由来抗体の消失を待って実施するべきであるが,その理由は,既存の母親由来抗体によってワクチンウイルスの複製が抑制されうるためである。

ワクチン接種者の15%において軽度の非伝染性感染が起こる。症状は予防接種後7〜11日で現れ,発熱,倦怠,麻疹様発疹などがみられる。



亜急性硬化性全脳炎(SSPE)は中枢神経系の遅発性ウイルス感染症であり,麻疹ウイルス野性株の感染患者100万人当たり6〜22例に発現する。

麻疹ワクチンを接種された麻疹自然感染歴のない小児において発生しているが,ポストワクチン時代においてはほとんど姿を消している。


ムンプスのワクチンはごくまれに脳炎(日本のムンプスのワクチン株においてのみ発生),発作,神経性難聴,耳下腺炎,紫斑,発疹,かゆみなどの有害作用を起こす。

風疹のワクチンは接種から2〜8週間後,乳児の1%未満に(ただし女性では26%以下)において,通常は末梢小関節の関節痛を引き起こす。

ときに発疹またはアデノパシーが起こる。ワクチンは胎児に対する理論的リスクがあるため,妊婦には推奨されない。

しかしながら,胎児のリスクは事実上ゼロと思われるため,不注意による妊娠中の投与は必ずしも治療的流産を意味しない。

麻疹,ムンプス,風疹および水痘の混合ワクチンも利用できる。





●肺炎球菌ワクチン:

肺炎球菌結合ワクチンは肺炎レンサ球菌の7種類の精製莢膜多糖体を含み,その1つひとつがジフテリア毒素の変異体と結合している。

5歳未満の全ての小児および免疫不全患者に適応とされるが,通常妊娠中は延期する。

旧来の23価ワクチンとは異なり,この結合ワクチンは乳児の抗体反応を刺激できる。

この結合ワクチンはまた,侵襲性肺炎球菌性疾患に対して旧来のワクチンよりも強力な保護力を発揮するようである。

小児における有害作用は通常軽度で,発熱,被刺激性,傾眠,食欲不振,嘔吐,局所の紅斑などがある。

免疫不全の成人における有害作用は知られていない。



肺炎球菌多糖体ワクチンは,肺炎球菌亜型83種類の最も毒性の抗原23種類からなる。

これは成人全体において菌血症を56〜81%減少させるが,衰弱した高齢者においてはそれほどではない。

肺炎発生率の減少はごくわずかに過ぎない。

このワクチンはHIV感染,慢性の肺または心疾患,機能的無脾症(例,鎌状赤血球症,脾臓摘出後),アルコール中毒,血液悪性腫瘍,脳脊髄液漏出,人工内耳の患者など,肺炎球菌性肺炎またはその合併症のリスクの高い全ての人に投与するべきである。

インフルエンザワクチンと同時に投与してもよいが,接種部位は別にする(例,対側の三角筋)。

生涯免疫のために1回の予防接種が推奨されるが,特にハイリスク患者に対しては6カ月毎の再接種を考慮するべきである。




●ポリオ:

ホルマリン不活化ポリオウイルス1,2,3型の混合物からなる三価不活化ポリオウイルスワクチン(IPV)の初回シリーズは小児期に実施するべきであり,99%を超える接種者が免疫を獲得する。

経口ポリオウイルスワクチン(OPV)は米国ではもはや入手できない。

重篤な有害作用はIPVと関連していない。



●水痘:

水痘ワクチンは弱毒生ウイルスワクチンで,全ての小児および感染歴のない若年成人,特に医療従事者および免疫不全患者と密接に接する人に投与するべきであり,ワクチン接種の必要性を判定するために保護抗体レベルを測定するべきである。

このワクチンは接種者の97%に水痘の保護抗体を産生させ,暴露後の臨床疾患の可能性を70%減少させる。

ワクチン接種者における免疫の減弱は立証されておらず,評価段階にある。

免疫グロブリンは保護抗体の産生を阻害しうることから,ワクチン接種前5カ月以内または接種後2カ月以内は,水痘帯状疱疹免疫グロブリンなどのいかなる免疫グロブリンも投与してはならない。

このワクチンの有害作用は最小限で,接種後1カ月以内に軽度の斑点状丘疹または水痘様発疹が発現することがある。

この発疹が発現する患者はそれが消散するまで免疫不全患者との接触を避けるべきである。

ときに注射部位の一過性の疼痛,圧痛または発赤が生じる。

ライ症候群の可能性があるため,16歳未満の接種者は6週間の間サリチル酸塩を避けるべきである。

ワクチンウイルスがワクチン接種者から感受性の人々へ広まることが立証されているが,その発生率はワクチン接種者の1%未満であり,接種者が発疹を発現した場合に限られる。



●異なるワクチンの同時投与:

同時投与は便利であり,将来ワクチン接種が利用できないと思われる小児の場合,特に推奨される。

認可されている混合ワクチンとして麻疹-ムンプス-風疹ワクチン,麻疹-ムンプス-風疹-水痘ワクチン,DPTの他,DTwP-Hib結合ワクチン(HbCV),DTaP-HbCV,B型肝炎ワクチン-HbCV(HB-HbCV)がある。

さらに,1種類以上のワクチン製品を異なる注射部位に別々の注射器を使用して同時に投与してもよい。

組み合わせできる製品として,DTwP-HbCVまたはDTaP-HbCVとIPV(またはOPV)あるいはHBワクチン,および水痘ワクチンと麻疹-ムンプス-風疹ワクチンがある。

水痘ワクチンと麻疹-ムンプス-風疹ワクチンを同時投与しないなら,1カ月以上の間隔をあけて投与する。


(続く)

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2014年06月15日

統合失調症患者のリハビリテーションと地域の支援サービス

●統合失調症患者のリハビリテーションと地域の支援サービス

リハビリテーションと地域の支援サービス: 心理社会的技能訓練と職業的リハビリテーションプログラムは,多くの患者が働き,買物をし,自身のケアをするのを助け,また家事をとりしきり,他者と共存し,精神医療の専門家と協力して治療を進めるのに役立つ。

支援つき雇用は特に価値があると思われ,そこでは患者は競争のある仕事場に配置され,仕事への適応を促すために現場の仕事のコーチがつく。

コーチは,問題解決のためのバックアップ,または雇用主とのコミュニケーション係としての役割を果たすだけの場合もある。



支援サービスは多くの統合失調症患者が地域で居住することを可能にする。

大部分は独立して生活できるが,服薬遵守を確実にするためにスタッフのいる監督つきアパートを必要とする人もいる。

諸プログラムでは,様々な居住施設における監督の段階的レベルを定めており,24時間のサポートから定期的な家庭訪問までと様々である。

これらのプログラムは,再発の可能性と入院の必要性を最小限に抑えるために十分なケアを提供しながら,患者の自立性を促進する助けとなる。

積極的な地域治療プログラムは,患者の家庭またはその他の居住場所でサービスを提供し,患者に対するスタッフの比率の高さを基盤にしている;治療チームは必要な治療サービスの全てまたはほとんど全てを直接提供する。



重度の再発時には入院または代替施設におけるクライシスケアが必要となることがあり,患者に自傷他害の恐れがある場合は強制入院が必要となることもある。

最良のリハビリテーションと地域支援サービスにもかかわらず,ごく一部の患者,特に重度の認知障害がある者および薬物療法に抵抗性のある者は,長期の施設収容またはその他の支援ケアが必要である。



●精神療法:

精神療法の目標は,患者が自分の病気を理解し管理することを学び,また処方されたとおりに服薬し,より効率的にストレスに対処できるように,患者,家族,医師の間で協調的関係を作り上げることである。

薬物療法との併用による個人精神療法が一般的だが,経験に基づくガイドラインはほとんどない。

患者の基本的な社会サービスの必要性に対処することで始まる精神療法は,支援と病気の性質に関する教育を提供し,適応的活動を促し,共感に基づいており,統合失調症に対する正しい,力動的な理解が最も効果的であるように思われる。

多くの患者は,機能を大幅に制限し,しばしば生涯抱えることになる病気に適応するために,共感的な心理的支援を必要としている。

家族と暮らす患者については,家族への心理教育的介入で再発率を抑えることが可能である。

全米精神障害者連盟のような支援擁護団体は,家族にとってしばしば助けとなる。



以上


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劇症肝炎とは肝炎のうち症状発現後( A )以内に高度の・・・・・

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4)基礎医学、薬学の試験問題 276
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問題1.次の文章のかっこに入るのは何番?

劇症肝炎とは肝炎のうち症状発現後( A )以内に高度の
肝機能障害に基づいて肝性昏睡2度以上の脳症を来たし、
プロトロンビン時間がコントロールに比べて40%以下を
示すものである。

(1)8週間  (2)24週間






」」」」」」」」」」」」
   答え
」」」」」」」」」」」」

(1)8週間  





問題2.次の文章は正しいか?

劇症肝炎の主な症状として下記のものがある。

・意識レベルの低下(肝性脳症、昏睡)
・黄疸
・出血傾向
・腹水   など


(A)正しい  (B)間違い







」」」」」」」」」」」」
   答え
」」」」」」」」」」」」

(A)正しい 




問題3.次の文章は正しいか?

劇症肝炎には発病後10日以内に「黄疸」の発現する急性型と
それ以後に発病する亜急性型とがある。

(A)正しい  (B)間違い







」」」」」」」」」」」」
   答え
」」」」」」」」」」」」

(B)間違い

黄疸(誤)⇒脳症(正)



問題4.次の文章は正しいか?

わが国における劇症肝炎の大半は薬剤性だが
肝炎ウイルスによるものもわずかだがある。

(A)正しい  (B)間違い







」」」」」」」」」」」」
   答え
」」」」」」」」」」」」

(B)間違い





問題5.次の文章は正しいか?

肝硬変は種々の原因によって生じた慢性肝障害の終末像
として考えられる病態である。
臨床的には肝細胞の機能不全と門脈圧亢進症を呈する。

(1)正しい  (2)間違い








」」」」」」」」」」」」
   答え
」」」」」」」」」」」」

(1)正しい 





問題6.次の文章のかっこに入るのは何番?

肝硬変に伴う肝性脳症は門脈大循環シャント(短絡)に
より腸管内で産生される( A )などの中毒性物質が
門脈より直接大循環に流入することと、肝細胞障害が
種々の程度に加わって生じる

(1)ナトリウム  (2)アンモニア





」」」」」」」」」」」」
   答え
」」」」」」」」」」」」

(2)アンモニア








問題7.次の文章は正しいか?

胆石症の症状には疝痛、腹部膨満感、悪心・嘔吐等が
あるが、最も特徴的な症状は疝痛発作である。

(1)正しい  (2)間違い






」」」」」」」」」」」」
   答え
」」」」」」」」」」」」

(1)正しい 

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2014年06月14日

定期的ワクチン接種について ジフテリア-破傷風-百日咳 インフルエンザ菌b型結合ワクチン等

● 定期的ワクチン接種について

乳児および小児に対するワクチン接種スケジュールは正常な乳幼児や小児の治療へのアプローチ: 推奨される小児期および青少年期の予防接種スケジュール。


全ての成人において検討されるワクチン接種を 免疫化: ルーチンの成人のワクチン接種表 2: 表に記載する。

非定期的能動免疫(例,狂犬病,腸チフス,黄熱,髄膜炎菌およびマイコバクテリア感染のため)の適用およびいくつかの定期的ワクチン接種に関しては,本書の別の個所に記載の特定疾患で考察されている。

定期的ワクチン一覧表.html


●ジフテリア-破傷風-百日咳:

ジフテリア(D)および破傷風(T)ワクチンは,それぞれジフテリア菌および破傷風菌から調整されたトキソイドである。

全細胞(w)百日咳(P)ワクチンは,百日咳菌の細胞壁断片ならびにDおよびTを含む(DTwP)。

百日咳菌の半精製または精製成分(例,百日咳毒素,線維状赤血球凝集素,線毛,ペルタクチン,蛋白)およびD,Tからなる無細胞(a)百日咳ワクチン(DTaP)は,発熱および局所反応を引き起こす頻度が低いことから通常好んで使用される。



ワクチン接種は小児期に行われ,初回免疫および追加免疫注射がある。

百日咳に対する保護を追加するために,10?18歳の青少年用にTdapのシングルショット追加免疫が適用可能である。

有害事象はまれで,ほとんどは百日咳菌成分に起因する。

例えば7日以内の脳障害,発熱を伴うまたは伴わない3日以内の発作,あやしても治まらない持続的かつ重度の3時間以上の絶叫または号泣,48時間以内の虚脱またはショック,他に説明のつかない48時間以内の40.5°C以上の発熱,ワクチンに対する重度の即時反応またはアナフィラキシー反応などがある。

これらの反応は百日咳ワクチンの追加使用の禁忌である;ジフテリアおよび破傷風混合ワクチンは百日咳成分を除いて利用できる。



破傷風トキソイドは,破傷風およびジフテリアトキソイド吸着型(Td)中でジフテリアトキソイドと混合されている。

米国において破傷風はまれであるが死亡率は高い。

症例の1/3は予測不可能に発生する(微小または不顕性の外傷後)ため,破傷風ワクチン接種は依然として全ての人々に対して必要である。

免疫を維持するために,6歳以降はTd,0.5mL,筋肉内への追加免疫を10年毎に定期的に実施するべきである。

追加免疫の間隔が10年を超えても免疫は成立するが時間がかかる。

一部の専門家は10年毎の追加免疫の代わりに50歳時に1回の追加免疫を推奨している。

小児期にワクチン接種の初回シリーズを受けなかった成人は,それを成人量で受けるべきである。

7歳未満の小児には,ジフテリアトキソイドをTdより多量に含むDTのような別の破傷風トキソイド製剤を接種する。





●インフルエンザ菌b型結合ワクチン:

インフルエンザ菌b型(Hib)の精製莢膜であるポリリボシルリビトールリン酸(PRP)から調整されたワクチンで,小児におけるHib疾患を予防する。

全てのHibワクチン(HbCV)は多糖体としてPRPを使用するが,異なる4種類の担体蛋白を用いることにより異なる4種類のHib結合ワクチンができる:PRP-D(ジフテリアトキソイド),PRP-OMP(髄膜炎菌外膜蛋白),PRP-T(破傷風トキソイド),HbOC(ジフテリア変異株担体蛋白CRM197)。




●肝炎:

A 型肝炎ワクチンは不活化ウイルスを使用して調整されている。

B 型肝炎ワクチンは組換えDNA技術を利用しており,全ての人々に対する接種が推奨される。

このワクチン2種の使用に関しては肝炎で考察されている。




●インフルエンザ:

このウイルスは毎年抗原連続変異が起こるため,新型菌株に対する1年毎のワクチン再接種が必要となる。

通常は初冬または真冬に流行が始まることから,ワクチン接種は秋(北半球では通常10月および11月)に行う。

65歳を超える者,長期看護施設の入居者,慢性の心臓または肺疾患,あるいは代謝障害(特に糖尿病),腎不全,異常ヘモグロビン症患者,免疫抑制またはHIV感染患者,6?23カ月齢の乳児など,重篤な続発症を発現するリスクの高い全ての人にワクチン接種が推奨される。

医療従事者およびインフルエンザ症状の回避を希望する人にもワクチンを接種する。


(続く)



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統合失調症患者の治療

●統合失調症患者の治療

精神病症状の発現と初回治療までの期間は,初回治療効果発現の速さ,治療効果の質,そして陰性症状の重症度と相関する。

早期に治療を受ければ,より迅速かつ十分な治療効果が得られる傾向がある。

初回エピソード後に抗精神病薬を継続使用しなければ,70〜80%の患者は12カ月以内にエピソードが再発する。

抗精神病薬の継続的使用は,1年再発率を約30%にまで低減できる。



全般的目標は,精神病症状の重症度を抑え,症状エピソードの再発とそれに伴う機能的能力の悪化を防止し,患者が可能なかぎり高い水準で機能できるよう援助することである。

抗精神病薬,地域支援サービスによるリハビリテーション,精神療法が治療の主な構成要素である。

統合失調症は長期にわたる再発性疾患であるため,患者に疾患の自己管理技術を教えることが重要な全般的目標のひとつとなる。

薬物は,神経伝達物質受容体への特異的親和性と活性に基づき,従来型抗精神病薬と第2世代抗精神病薬(SGA)に分けられる。

SGAは,やや有効性に優れていること(ある種のSGAではこの若干の利点に疑問があるが)と,不随意運動障害および関連の副作用発現の可能性が少ないという点で,幾分利点が大きいと考えられる。

従来型の抗精神病薬: これらの薬物( 統合失調症と関連障害: 従来型の抗精神病薬表 1: 表を参照)は,主としてドパミン-2受容体を遮断することにより作用する(ドパミン-2遮断薬)。

従来型の抗精神病薬は高力価,中力価,または低力価に分類できる。

高力価の抗精神病薬はドパミン受容体に対する親和性が高く,α-アドレナリン受容体およびムスカリン受容体に対する親和性が低い。

低力価の抗精神病薬は用いられることはまれだが,ドパミン受容体に対する親和性が低く,α-アドレナリン,ムスカリン,およびヒスタミン受容体に対して比較的高い親和性をもつ。

様々な薬物が錠剤,液剤,短時間作用型および長時間作用型筋注製剤として市販されている。

具体的な薬物の選択は,主に副作用プロフィール,必要とされる投与経路,および患者の当該薬物に対するこれまでの反応に基づいて行う。

統合失調症の薬一覧.html


従来型の抗精神病薬には,鎮静作用,認知能力の低下,ジストニアと筋硬直,振戦,プロラクチン値の上昇,体重増加といった複数の副作用がある(副作用の治療については精神的な訴えがある患者へのアプローチ: 抗精神病薬の急性副作用に対する治療を参照 表 3: 表 )。

アカシジア(静坐不能)は特に不快なもので,服薬不遵守につながることがある。

またこれらの薬物は,不随意運動障害である遅発性ジスキネジアを惹起することがあり,最もよくみられる特徴は唇と舌をすぼめたり,腕や脚をねじるものである。

従来型の抗精神病薬を投与した患者における遅発性ジスキネジアの発生率は,薬物への暴露1年当たり約5%である。

約2%では,遅発性ジスキネジアにより外観が著しく損なわれる。

一部の患者では,投薬中止後も永続する。

こうしたリスクがあるため,長期維持療法を行う患者では少なくとも6カ月毎に評価を行うべきである。

異常不随意運動尺度のような評定尺度を用いてもよい。


神経遮断薬悪性症候群は,まれではあるが死に至る可能性のある副作用であり,硬直,発熱,自律神経不安定,クレアチニンホスホキナーゼ値の上昇(精神的な訴えがある患者へのアプローチ: 抗精神病薬の副作用も参照 )を特徴とする。


統合失調症患者の約30%には,従来型の抗精神病薬は無効である。第2世代抗精神病薬のひとつ,クロザピンが奏効することがある。




●第2世代抗精神病薬: SGAはドパミン受容体とセロトニン受容体の両方を遮断することにより作用する(セロトニン-ドパミン受容体拮抗薬)。

SGAには陽性症状を軽減する傾向があり,従来型の抗精神病薬に比べて陰性症状を大幅に改善することがある(ただし,そうした差は疑問視されている);認知能力の低下を生じることは少ないと思われる;錐体外路系(運動性)副作用を生じる可能性は少ない;遅発性ジスキネジアのリスクは低い;一部のSGAはプロラクチン値の上昇をほとんど,あるいは全くもたらさない。



クロザピンは,従来型の抗精神病薬に抵抗性を示す患者の最大50%に有効であることが示された唯一のSGAである。

クロザピンは陰性症状を低減し,運動性の副作用をほとんど全く生じず,遅発性ジスキネジアのリスクもほとんどないが,鎮静作用,低血圧,頻脈,体重増加,2型糖尿病,唾液分泌亢進など他の副作用がある。

また用量依存的に発作が生じることがある。



最も重篤な副作用は無顆粒球症で,患者の約1%に発生する。

したがって,白血球数の頻繁なモニタリングが必要であり,一般的にクロザピンは他の薬物の効果が不十分だった患者にのみ使用される。

新しいSGAはクロザピンの利点を多く備える一方で,無顆粒球症のリスクがなく,一般に従来型の抗精神病薬よりも急性エピソードの治療や再発予防に向いている。

新しいSGAの有効性は互いによく似通っているが,副作用に違いがあるため,個々の反応と他の薬物の特徴に基づいて薬物を選択する。

例えば,オランザピンは鎮静作用を示す割合が比較的高く,著明な激越や不眠のある患者に処方されると考えられる;鎮静作用の少ない薬物は,嗜眠のある患者の場合に好まれるであろう。



有効性を評価するには通常4〜8週間投薬を試みることが必要である。

急性症状が安定した後は維持療法が開始されるが,そこでは症状の再発を防ぐ最低量を用いる。

リスペリドンは長時間作用型の注射製剤が唯一利用可能なSGAである。



体重増加,高脂血症,および2型糖尿病のリスク上昇がSAGの主な副作用である。

そのため,SAGによる治療開始前に,全ての患者について糖尿病の既往/家族歴,体重,ウエスト周囲長,血圧,および空腹時血漿中グルコースおよび脂質プロフィールなどのリスク要因のスクリーニングを実施すべきである。

糖尿病性ケトアシドーシス(悪心,嘔吐,脱水症,呼吸速迫,意識の混濁)を含む糖尿病の徴候と症状(多尿,多飲,体重減少)について,患者と家族の教育を行うべきである。

さらに,SGAの投与を開始する全患者に対して栄養および運動に関するカウンセリングも行うべきである。

SGA治療中の全患者について,体重,BMI,および空腹時血糖の定期的なモニタリングが必要であり,高脂血症または2型糖尿病を発症した患者は評価のために専門科への紹介が必要である。


(続く)


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2014年06月13日

統合失調症の診断と予後

●統合失調症の診断

統合失調症の決定的な検査法はない。

診断は病歴,症状,徴候の包括的評価に基づいて下される。



家族,友人,教師,および同僚など付帯的情報源からの情報はしばしば重要である。

精神疾患の診断・統計マニュアル第4版(DSM-IV)によれば,診断には,2つ以上の特徴的症状(妄想,幻覚,会話の解体,行動の解体,陰性症状)が1カ月のうちかなりの割合で存在することが必要であり,なおかつ社会的,職業的,もしくは自己管理面の問題を伴う前駆期ないしは残遺期の疾病徴候が6カ月間明らかに存在し,そのうち1カ月間は活動期の症状を含むことが必要である。



病歴と,臨床検査および神経画像検査を含む検査により,他の身体疾患または物質乱用による精神病を除外することが必要である(精神的な訴えがある患者へのアプローチ: 精神症状を示す患者の医学的評価を参照 )。

統合失調症の一部の患者には,画像検査で構造的な脳の異常が認められるが,これらは診断的価値をもつほど特異的なものではない。

同様の症状を示す他の精神疾患には,統合失調症に関連するものがいくつかある:すなわち,短期精神病性障害,統合失調症様障害,統合失調感情障害,および妄想性障害である。

さらに,気分障害は一部の人々に精神病を引き起こすことがある。

ある種の人格障害(特に統合失調型)は統合失調症と同様の症状を呈することがあるが,通常はより軽度で精神病とは関連がない。





●統合失調症の予後

症状が発現してから最初の5年間に,次第に自分のことを構わなくなり,それとともに機能面は悪化し,社会的・職業的技能も低下することがある。

陰性症状は重症度を増し,認知機能は低下することがある。

その後,能力障害のレベルは横這いとなる傾向がある。

一部の証拠では,疾患の重症度は晩年,特に女性の場合,軽快することが示唆されている。

重度の陰性症状と認知機能障害のある患者では,抗精神病薬を投与していなくとも,随意運動の障害が発現することがある。



予後は亜型によって異なる。

妄想型統合失調症患者は能力障害が軽度であり,現行の治療法が奏効することが多い。

欠陥型の患者は,能力障害が重く,予後も不良で,治療に対して抵抗性を示すのが典型である。



統合失調症は他の精神疾患を併発することがある。

顕著な強迫症状(不安障害: 症状と徴候を参照 )を伴う場合には,予後は特に不良である;境界性人格障害(人格障害: B群を参照 )の症状を伴う場合の方が予後はよい。

統合失調症患者の約80%は,生涯のどこかの時点で大うつ病のエピソードを1回以上経験する。



診断後最初の1年間,予後は処方された向精神薬の服薬遵守と密接に関係する。

全体として,3分の1の患者は著明で持続的な改善を示す;3分の1はいくらか改善するが,間欠的な再発と残遺的な能力障害がみられる;3分の1は能力が永久的に大きく失われる。

発病前の機能水準まで完全に回復するのは全患者の約15%のみである。



良好な予後に結びつく要因は,良好な病前機能(例,優秀な学生,有能な職業歴),遅いおよび/または急激な発病,統合失調症ではなく気分障害の家族歴があること,認知障害がほとんどないこと,陰性症状が少ないこと,妄想型または非欠陥型であることなどである。

予後不良に結びつく要因は,早期発症,病前機能の不良,統合失調症の家族歴,および解体型または欠陥型で多くの陰性症状を示すことなどである。

男性は女性よりも転帰不良である;女性の方が抗精神病薬治療への反応がよい。



物質乱用は,50%もの統合失調症患者にみられる重大な問題である。

事例証拠から,マリファナおよび他の幻覚薬の使用は統合失調症患者にきわめて破壊的な影響を及ぼすことが示唆されており,これらの使用は強く阻止すべきである。

物質乱用の併存は転帰不良の重要な予測因子であり,服薬不遵守や再発の繰り返し,頻繁な再入院,機能の低下,およびホームレスになるといった社会的支援の喪失などをもたらす。



以上


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