2014年08月15日

関節リウマチ(RA)について

●関節リウマチ(RA)について

関節リウマチは慢性的な自己免疫疾患であり,サイトカイン,ケモカイン,メタロプロテアーゼによって仲介される障害を引き起こす。

末梢関節(例,手関節,中手指節関節)に対称的に炎症を起こし,関節構造に進行性の破壊をしばしば生じ,通常は全身症状を伴う。

診断には,特定の臨床的,検査室的,放射線学的な判定基準を必要とする。

治療には,薬物療法,理学療法,ときに手術がある。

薬物療法は,NSAID(症状の軽減を助ける)と病態修飾性抗リウマチ薬(病状の進行を遅らせる)を併用する。


関節リウマチ(RA)には,全人口の約1%が罹患する。

女性の患者数は男性の2〜3倍である。

いずれの年代でも発症するが,35〜50歳の間に最も多発する。

小児または高齢者も罹患しうる。





●関節リウマチ(RA)の病因と病態生理

RAには自己免疫反応が含まれるけれども,正確な原因は不明であり,多数の要因が寄与しうる。

遺伝的素因が確認されており,白人集団ではクラスU組織適合抗原のHLA-DRβ1座位の共有エピトープに限局化されている。

喫煙がそうであるように,未知の環境要因(例,ウイルス感染)が病因の役割を果たしていると考えられる。



顕著な免疫異常には,滑膜表層細胞によって炎症性血管で産生される免疫複合体が含まれる。

プラスマ細胞は,これらの複合体に寄与する抗体(例,リウマチ因子[RF])を生じる。

マクロファージは,疾病初期にさらに病的な関節滑膜に移動し,マクロファージ由来の表層細胞は,血管炎症とともに顕著に増加する。

滑膜組織に浸潤するリンパ球は本来,CD4+T細胞である。


マクロファージおよびリンパ球は,関節滑膜で炎症誘発性サイトカインおよびケモカイン(例,腫瘍壊死因子[TNF],顆粒球マクロファージコロニー刺激因子,様々なインターロイキン[IL],インターフェロン-γ)を産生する。炎症伝達物質の放出は,おそらくRAの全身および関節の症状の一因となる。


慢性的に侵された関節では,正常の薄い繊細な関節滑膜が肥厚して多くの絨毛様ヒダを生じる。

滑膜表層細胞は様々な物質を生じ,それらには軟骨の破壊に寄与するコラーゲナーゼやストロメライシン;軟骨破壊,破骨細胞の仲介する骨吸収,滑膜の炎症,(炎症を増強する)プロスタグランジンを刺激するIL-1やTNF-αが含まれる。

フィブリン沈着,線維化,壊死もみられる。これらの炎症伝達物質を通して,過形成性滑膜組織(パンヌス)は,軟骨,軟骨下骨,関節包,靭帯を侵す。

多形核球(PMN)はしばしば滑液中で優位を占める。



リウマチ小結節は,RA患者の約30%に発症する。

それらは柵状の組織球性のマクロファージによって囲まれる中央が壊死性の領域からなる肉芽腫であり,全てがリンパ球,プラスマ細胞,線維芽細胞によって包まれている。

小結節および脈管炎は,多くの内臓に発症することもありうる。






●関節リウマチ(RA)の症状と徴候

RAの発病は通常潜行性であり,全身症状から始まり関節症状に進行するが,症状は同時に生じうる。

全身症状は,侵された関節の早朝のこわばり,全身性の午後の疲労と倦怠感,食欲不振,全身性脱力,微熱である。関節症状には痛みとこわばりがある。



関節症状は対称的であることが特徴である。

典型的症例では,こわばりは朝の起床時に60分以上持続するが,長い不活動状態の後にはいつでも起こりうる。

侵された関節は,発赤,熱感,腫脹,運動制限とともに圧痛をはっきりと感ずるようになる。

手根関節と示指および中指の中手指節関節は,最もよく侵される。

その他に近位指節間[PIP]関節,中足趾節関節,肘関節,足関節が侵されるが,いずれの関節も侵されうる。

体軸骨格は頸椎上部を除いて侵されることはまれである。

滑膜の肥厚が認められる。関節は痛みを最小限にするためにしばしば屈曲位で保たれるが,その痛みは関節包の膨張から起こる。

拘縮変形,特に屈曲拘縮は急速に進行しうることがある;中手指節関節部での伸筋腱の尺側への滑脱を伴う指の尺側偏位は,スワン-ネック変形やボタン穴変形のように典型的である。



関節の不安定性も生じうる。

手根管症候群は,手関節部の滑膜炎の結果として正申神経を圧迫して生じることがある。

断裂した膝窩嚢胞(ベーカー嚢胞)を発現することがあり,深部静脈血栓症を示唆する腓腹部腫脹と圧痛を生じる。




皮下のリウマチ結節は通常初期の徴候ではないが,最終的には患者の最大30%に生じ,大抵は圧力や慢性的な刺激を受ける部位にみられる(例,前腕の伸側面)。

内臓の結節は,通常は無症状であり,重度のRA患者によくある。

その他の関節外徴候には,下腿潰瘍を引き起こす脈管炎または多発性単神経炎,胸膜または心内膜の液浸出,肺結節,肺線維症,心膜炎,心筋炎,リンパ節症,フェルティー症候群,シェーグレン症候群,上強膜炎がある。

頸椎の障害は,環軸関節亜脱臼(頸部痛および背痛: 環軸関節亜脱臼を参照 )や脊髄圧迫(脊髄障害: 脊髄圧迫を参照 )を起こすことがあり,頸部の伸展で悪化することがある(例,気管内挿管中)。


RAの臨床的経過は予測不可能である。

RAは最初の6年,特に1年目に最も急速に進行し,80%の患者は,10年以内に何らかの永久的な関節異常を発症する。





●関節リウマチ(RA)の診断

多関節性の対称的な関節炎のある患者では,RAを疑うべきである。

RAの診断基準は,関節疾患: 関節リウマチの診断: 表に記載されており,4つ以上の基準が存在していれば,診断は確定する。

患者にリウマチ因子(RF)テストを行い,手および手根部のX線像,侵された関節のベースラインのX線像を撮影し,びらん性の変化をみるために記録すべきである。



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2014年07月03日

全身性エリテマトーデスとは(4)

●全身性エリテマトーデスの予後

経過は通常,慢性,再発性で予測が不可能である。

寛解は,何年も持続することがある。

初期の急性期がコントロールされる場合, たとえきわめて重症である(例,脳血栓症または重症の腎炎)としても,長期的な予後は通常良好である。

ほとんどの先進諸国の10年生存率は,95%を超える。

予後が改善されたのは,一部には早期の診断と有効な治療法に起因する。

より重症の疾患にはより毒性の強い治療法が必要であり,それは死亡のリスクを増大する。

そのような合併症の例には,免疫抑制による感染症と,長期間にわたるコルチコステロイド投与による冠動脈疾患または骨粗鬆症が含まれる。


●治療

治療を簡単にするために,SLEを,軽度(発熱,関節炎,胸膜炎,心膜炎,頭痛,発疹)または重度(例,溶血性貧血,血小板減少性紫斑病,広範囲の胸膜および心膜の障害,重大な腎障害,四肢や胃腸管の急性脈管炎,病勢盛んな中枢神経系障害)に分類すべきである。


軽度または弛張性の場合: ほとんどまたは全く治療が必要ないことがある。

関節痛は通常,NSAIDによりコントロールする。

アスピリン(80〜325mgを1日1回)は,抗カルジオリピン抗体と関連する血栓傾向の患者と血栓事象がこれまでにない患者に有用であるが,SLE患者に大量投与すると肝毒性を起こしうる。

抗マラリア薬は,特に関節と皮膚症状が著明であるときに有用である。

ヒドロキシクロロキン200mgの1日1回または1日2回の経口投与がよく行われる。

その他の選択肢には,クロロキン250mg,1日1回の経口的投与や,キナクリン50〜100mg,1日1回の経口的投与などがある。

これらの薬物の併用もときに行われる。ヒドロキシクロロキンは,網膜毒性を発生しうる。眼を6カ月毎に検査すべきである。



重度の場合: 重度の場合:コルチコステロイドは,第一選択の治療法である。

プレドニゾンと免疫抑制薬の併用は,活動性で重篤なCNSループス,特に内臓または神経を侵す脈管炎,活動性で可逆性のループス腎炎に推奨される。

プレドニゾンは通常40〜60mgを1日1回経口投与するが,用量はSLEの症状に応じて変わりうる。

経口アザチオプリン1〜2.5mg/kg,1日1回投与または経口シクロホスファミド1〜4mg/kg,1日1回投与を,免疫抑制薬として使用しうる。

腎障害には,毎日の経口投与の代わりにシクロホスファミドの“適用量”を通常間欠的に静注し,例えば,約500mg〜1g/m2 を(膀胱を保護するためにメスナおよび補液とともに)6カ月間は毎月静注し,その後18カ月間は3カ月に1回静注する(腎毒性または血液学的毒性があれば頻度を減らす。




CNSループスまたはその他の危機的症状には,3日連続でメチルプレドニゾロン1gの緩徐な(1時間)静注がしばしば初期の治療法であり,その後,前述のように静注シクロホスファミドを静注する。ミコフェノール酸モフェチル500〜1000mgの1日1回または1日2回の経口投与は,腎性SLEに対するシクロホスファミドに代わるものである。5日間連続の免疫グロブリンG(IgG)400mg/kg,1日1回静注は,抵抗性血小板減少症に有用でありうる。幹細胞の動員後のシクロホスファミド2g/m2の静注を伴った幹細胞の移植は,抵抗性SLEの患者に試験的に施行されている。移植は,末期腎疾患に適用しうる。

重度のSLEの改善にはしばしば4〜12週間を要し,コルチコステロイドを減らすまでは明らかにならないことがある。大脳,肺,胎盤の血管の血栓症または塞栓症は,ヘパリンによる短期的な治療とワルファリンによる長期的な治療を必要とし,国際標準比3を目標とする(ときに生涯にわたる)。

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2014年07月02日

全身性エリテマトーデスとは(3)

●全身性エリテマトーデスの診断

特に若い女性で,何らかのSLEの症状および徴候がある患者ではSLEを疑うべきである。

しかしながら,SLEの初期の段階は,関節炎の症状が優勢である場合,RAを含むその他の結合(または非結合)組織疾患に類似する。

混合結合組織病はSLEに類似していることがあるが,さらに全身性硬化症,リウマチ様多発関節炎,多発性筋炎または皮膚筋炎の特徴を伴うことがある。

治療に起因する免疫抑制の結果として発病する感染症もまた,SLEに類似していることがある。



臨床検査は,SLEをその他の結合組織疾患と鑑別する;抗核抗体(ANA),CBC,尿検査,腎機能検査および肝臓機能検査を含む化学プロフィールを得るべきである。

SLEの診断は,自己免疫リウマチ性疾患:

SLEであると推測されるが,診断が確定ではない場合,自己抗体の追加的な検査が有用でありうる。

診断を確定するには,数カ月または数年にわたって反復評価を必要とすることがある。


ANAの蛍光検査は,SLEのスクリーニングに最適であり,SLE患者のうち98%を超える人がANA検査に陽性を示す(通常は高力価:> 1:80)。

しかしながら,RA,その他の結合組織病,悪性腫瘍の患者も,さらには健常な人の1%さえもANA検査で陽性を示しうる。

ヒドララジン,プロカインアミド,β-遮断薬,腫瘍壊死因子(TNF)-α拮抗薬のような薬物は,ループス(狼瘡)様症候群と同様にANA検査結果を陽性にしうるが, 薬物の投与を中止すると,ANAは最終的には陰性になる。


ANAが陽性であれば,抗二本鎖DNA抗体の検査を迅速にすべきであり,高値であることはSLEにきわめて特異的であるが,SLE患者のわずか25〜30%にしか示されない。

SLEの診断が別の方法でも明らかでない場合は,その他のANAや抗細胞質抗体(例,Ro[SSA],La [SSB],Sm,RNP,Jo-1)を調べるべきである。

Roは,主に細胞質であり,抗Ro抗体は,ときに慢性皮膚ループスを示すANA陰性のSLE患者に存在する。

抗Ro抗体は新生児ループスと先天性心ブロックの原因抗体である。

抗Sm抗体はSLEにきわめて特異的であるが,抗2本鎖DNA抗体と同様に感度が高くない。



白血球減少症はよくみられ,疾患が活動性であればリンパ球減少症が起こる。

溶血性貧血を起こしうる。SLEの血小板減少症を特発性血小板減少性紫斑病と鑑別することが,患者がANA陽性であることを除いては困難または不可能である。

SLE患者の5〜10%が梅毒血清検査に偽陽性を示す。

それはループス抗凝固因子や部分トロンボプラスチン時間(PTT)の延長と関連している可能性がある。


これらの検査の1つ以上に異常な値が示された場合,抗リン脂質抗体(例,抗カルジオリピン抗体)の存在が示唆され,次には直接ELISA(enzyme-linked immunosor-bent assay,酵素結合イムノソルベント検定法)で測定すべきである。

β2-糖蛋白Iに対する抗体は,おそらくより感度が高い。



抗リン脂質抗体陽性例は,動脈または静脈の血栓,血小板減少症,さらに妊娠中は自然流産または後期死産が起こりうる。

その他の試験は,重症度を監視し,治療の必要性を判定するのに役立つ。血清補体価(C3,C4)は疾患が活動時にはしばしば抑制され,通常は活動性腎炎の患者で最も低い。

ESRは疾患の活動期にはほぼ一様に上昇する。C反応性蛋白(CRP)値を測定する必要はない(SLE患者の場合,ESRが100mm/時を超える場合でさえ顕著に低い)。



腎臓障害のスクリーニングは,尿検査から始まる。

RBC(赤血球)と顆粒円柱は活動性腎炎を示唆する。

尿検査は定期的に,場合によって6カ月毎に,見かけ上寛解している患者にも実施すべきである。

しかしながら,生検で実証された腎障害にもかかわらず,尿検査は繰り返し正常でありうる。

腎生検は,SLEの診断や腎障害の確認のためには通常は必要ないが,腎疾患の状態を評価(すなわち,活動性の炎症か,炎症後の瘢痕かを判定)し,治療法を指導するために役立ちうる。

慢性腎機能不全症と大部分が硬化した糸球体を有する患者は,積極的な免疫抑制療法により利益を得る可能性は低いようである。
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2014年07月01日

全身性エリテマトーデスとは(2)

●全身性エリテマトーデスの症状と徴候

臨床所見はきわめて多様である。

SLEは,熱を伴って突然発症することも,または数カ月もしくは数年の間に関節痛や倦怠感を繰り返しながら潜行的に進行することもある。

血管性頭痛,てんかん,精神病が初期の所見であることもある。

あらゆる器官系統に関係する症状が発現しうる。

周期的な病状再燃(フレア)が起こりうる。




関節症状は,間欠性関節痛から急性多発性関節炎にまで及び,患者のおよそ90%に起こり,他の症状が現れる前に数年を経ることもある。

ほとんどのループス多発関節炎は非破壊的および非変形性である。

しかしながら,長期にわたる疾患では,変形が起こりうる(例,中手指節関節および指節間関節は,尺側偏位や骨性または軟骨びらんのないスワン-ネック変形[ジャコー関節炎]を発病することがある)。




皮膚病変には,一般に鼻唇溝部を除いた頬部の蝶形紅斑(平らまたは隆起した)を含む。

丘疹と膿疱がないことは,この蝶形紅斑を酒さと区別するのに役立つ。

多様なその他の紅斑性の硬い斑丘疹状病変は,顔面,首,上胸部,肘などの露出部を含み,あらゆるところに生じうる。



皮膚の水疱形成と潰瘍化はまれであるが,粘膜の反復性潰瘍(特に,硬口蓋と軟口蓋の移行部に近い硬口蓋中央部,頬側や歯肉の粘膜,前鼻中隔)は一般的である。

広汎性または限局性の脱毛は,SLEの活動期によくみられる。


脂肪組織炎は,皮下の結節性病変を生じうる。

脈管炎による皮膚病変は,手掌および手指の斑点状紅斑,爪周囲の紅斑,爪郭梗塞,じんま疹,および明白な紫斑などがありうる。

点状出血が血小板減少に続いて起こることがある。光過敏性は患者の40%にみられる。




心肺症状には,胸膜滲出液の有無にかかわらず再発性の胸膜炎がよくみられる。

肺炎はまれであるが,肺機能の軽度の障害はよくみられる。

重度の肺出血がときに起こり,死亡率は50%である。

その他の合併症は,肺塞栓,肺高血圧症,萎縮性肺症候群などがある。

心臓合併症には,心膜炎(最も多くみられる),心膜液貯留,心筋炎がある。

まれに起こる重篤な合併症は,冠状動脈血管炎とリブマン-サックス心内膜炎である。

加速性のアテローム性動脈硬化症は,罹病率と死亡率の増加原因である。先天性心ブロックは,新生児に起こりうる。




全身性リンパ節腫脹はよくみられ,特に小児,若い成人,黒人に多い。

脾腫は患者の10%にみられる。脾臓は動脈周囲に線維化を起こす。

神経学的症状は,中枢または末梢の神経系または髄膜のあらゆる部分の障害から起こりうる。

軽度の認知障害はよくある。


さらに,頭痛,人格変化,虚血性脳卒中,クモ膜下出血,痙攣,精神病,器質性脳症候群,無菌性髄膜炎,末梢神経障害,横断性脊髄炎,小脳機能不全などがみられる。


腎臓障害はいつでも発症する可能性があり,SLEの唯一の徴候であることもある。

腎障害は,無症状で良性であることもあるが,進行性で致死的であることもある。

腎病変の重症度は,限局性の通常は良性の糸球体炎から,びまん性で致死的となりうる膜性増殖性糸球体腎炎まで多様である。

一般によくある徴候は,蛋白尿(最も多い),赤血球円柱および白血球に現れる尿沈渣の異常,高血圧,浮腫などである。




産科の徴候には,妊娠の早期および後期の胎児死亡がある。

しかしながら,妊娠は(特に寛解して6〜12カ月以降は)成功しうる。

血液学的な徴候には,貧血症(しばしば自己免疫溶血性),白血球減少症(< 1500/μLのリンパ球減少症を含む),

血小板減少症(ときに致死的な自己免疫性血小板減少症)などがある。

再発性の動脈または静脈の血栓,血小板減少症,再発性の動脈または静脈の血栓,血小板減少症,高確率で起こる産科的合併症が,抗リン脂質抗体を有する患者に起こる。

SLEの合併症の多くは(産科的合併症を含めて)血栓症により説明しうる。



胃腸症状は,腸管の脈管炎または腸蠕動の減少から起こりうる。

さらに,膵炎はSLEにより,またはコルチコステロイドもしくはアザチオプリンによる治療の結果起こりうる。

症状には,漿膜炎に起因する腹痛,悪心,嘔吐,腸穿孔症状,偽性閉塞が含まれることがある。

SLEが実質性肝疾患を引き起こすことはまれである。


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2014年06月29日

全身性エリテマトーデスとは?(1)

●全身性エリテマトーデス

(播種性紅斑性狼瘡)


全身性エリテマトーデス(SLE)は,慢性,多臓器性,自己免疫性病因の可能性の高い炎症性疾患であり,主に若い女性に発病する。

一般によくある徴候は,関節痛および関節炎;頬部およびその他の皮膚発疹;胸膜炎または心膜炎;腎障害または中枢神経系障害;血液学的な血球減少などである。

診断には,臨床的および血清学的な判定基準が必要である。

重症の進行中の活動性疾患の治療には,コルチコステロイドが必要であり,しばしばヒドロキシクロロキン,ときに免疫抑制薬を必要とする。



全症例の70〜90%は女性(通常は妊娠可能年齢)である。

SLEは白人より黒人により多くみられる。

SLEは,新生児を含むあらゆる年齢の人に発病しうる。

軽症型のSLEについての認識が高まったことで,世界的に報告される症例が増加している。

いくつかの国では,SLEの有病率はRAと匹敵するほどである。

SLEは,遺伝的素因のある人に自己免疫反応を引き起こす未知の環境刺激によって,おそらく誘発される。

薬物(例,ヒドララジン,プロカインアミド)によっては,狼瘡様症候群を引き起こす。


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