2014年06月17日

定期的ワクチン接種について(その2)

●定期的ワクチン接種について(その2)


●麻疹,流行性耳下腺炎(ムンプス),風疹:

このワクチンは1種類の中に弱毒生ウイルスが混合されており,接種者の95%において各ウイルスに対する保護抗体を産生させ,おそらくは生涯免疫を獲得させる。

このワクチンは全ての小児に対し2歳までに投与するべきである。

成人で感染のリスクがあるのは,このワクチンの接種歴が全くない人および自然感染の既往が全くない人である。



一般に,1956年以前に出生した人々は,その小児期に,いたる所で感染が発生していたことから,免疫があると考えられている。

1956年以降に出生した人々の場合は,もし免疫状態が不明で暴露する可能性が高ければ(例,大学生,医療従事者)混合ワクチンを接種するべきである。

このワクチンの成分は個別に接種できるが,1種類のワクチンを必要とする人はおそらく3種類全てを必要とすると思われるため混合形式の方が好ましく,ワクチン再接種により特にリスクは生じない。



麻疹(はしか)のワクチン接種は受動的に獲得した母親由来抗体の消失を待って実施するべきであるが,その理由は,既存の母親由来抗体によってワクチンウイルスの複製が抑制されうるためである。

ワクチン接種者の15%において軽度の非伝染性感染が起こる。症状は予防接種後7〜11日で現れ,発熱,倦怠,麻疹様発疹などがみられる。



亜急性硬化性全脳炎(SSPE)は中枢神経系の遅発性ウイルス感染症であり,麻疹ウイルス野性株の感染患者100万人当たり6〜22例に発現する。

麻疹ワクチンを接種された麻疹自然感染歴のない小児において発生しているが,ポストワクチン時代においてはほとんど姿を消している。


ムンプスのワクチンはごくまれに脳炎(日本のムンプスのワクチン株においてのみ発生),発作,神経性難聴,耳下腺炎,紫斑,発疹,かゆみなどの有害作用を起こす。

風疹のワクチンは接種から2〜8週間後,乳児の1%未満に(ただし女性では26%以下)において,通常は末梢小関節の関節痛を引き起こす。

ときに発疹またはアデノパシーが起こる。ワクチンは胎児に対する理論的リスクがあるため,妊婦には推奨されない。

しかしながら,胎児のリスクは事実上ゼロと思われるため,不注意による妊娠中の投与は必ずしも治療的流産を意味しない。

麻疹,ムンプス,風疹および水痘の混合ワクチンも利用できる。





●肺炎球菌ワクチン:

肺炎球菌結合ワクチンは肺炎レンサ球菌の7種類の精製莢膜多糖体を含み,その1つひとつがジフテリア毒素の変異体と結合している。

5歳未満の全ての小児および免疫不全患者に適応とされるが,通常妊娠中は延期する。

旧来の23価ワクチンとは異なり,この結合ワクチンは乳児の抗体反応を刺激できる。

この結合ワクチンはまた,侵襲性肺炎球菌性疾患に対して旧来のワクチンよりも強力な保護力を発揮するようである。

小児における有害作用は通常軽度で,発熱,被刺激性,傾眠,食欲不振,嘔吐,局所の紅斑などがある。

免疫不全の成人における有害作用は知られていない。



肺炎球菌多糖体ワクチンは,肺炎球菌亜型83種類の最も毒性の抗原23種類からなる。

これは成人全体において菌血症を56〜81%減少させるが,衰弱した高齢者においてはそれほどではない。

肺炎発生率の減少はごくわずかに過ぎない。

このワクチンはHIV感染,慢性の肺または心疾患,機能的無脾症(例,鎌状赤血球症,脾臓摘出後),アルコール中毒,血液悪性腫瘍,脳脊髄液漏出,人工内耳の患者など,肺炎球菌性肺炎またはその合併症のリスクの高い全ての人に投与するべきである。

インフルエンザワクチンと同時に投与してもよいが,接種部位は別にする(例,対側の三角筋)。

生涯免疫のために1回の予防接種が推奨されるが,特にハイリスク患者に対しては6カ月毎の再接種を考慮するべきである。




●ポリオ:

ホルマリン不活化ポリオウイルス1,2,3型の混合物からなる三価不活化ポリオウイルスワクチン(IPV)の初回シリーズは小児期に実施するべきであり,99%を超える接種者が免疫を獲得する。

経口ポリオウイルスワクチン(OPV)は米国ではもはや入手できない。

重篤な有害作用はIPVと関連していない。



●水痘:

水痘ワクチンは弱毒生ウイルスワクチンで,全ての小児および感染歴のない若年成人,特に医療従事者および免疫不全患者と密接に接する人に投与するべきであり,ワクチン接種の必要性を判定するために保護抗体レベルを測定するべきである。

このワクチンは接種者の97%に水痘の保護抗体を産生させ,暴露後の臨床疾患の可能性を70%減少させる。

ワクチン接種者における免疫の減弱は立証されておらず,評価段階にある。

免疫グロブリンは保護抗体の産生を阻害しうることから,ワクチン接種前5カ月以内または接種後2カ月以内は,水痘帯状疱疹免疫グロブリンなどのいかなる免疫グロブリンも投与してはならない。

このワクチンの有害作用は最小限で,接種後1カ月以内に軽度の斑点状丘疹または水痘様発疹が発現することがある。

この発疹が発現する患者はそれが消散するまで免疫不全患者との接触を避けるべきである。

ときに注射部位の一過性の疼痛,圧痛または発赤が生じる。

ライ症候群の可能性があるため,16歳未満の接種者は6週間の間サリチル酸塩を避けるべきである。

ワクチンウイルスがワクチン接種者から感受性の人々へ広まることが立証されているが,その発生率はワクチン接種者の1%未満であり,接種者が発疹を発現した場合に限られる。



●異なるワクチンの同時投与:

同時投与は便利であり,将来ワクチン接種が利用できないと思われる小児の場合,特に推奨される。

認可されている混合ワクチンとして麻疹-ムンプス-風疹ワクチン,麻疹-ムンプス-風疹-水痘ワクチン,DPTの他,DTwP-Hib結合ワクチン(HbCV),DTaP-HbCV,B型肝炎ワクチン-HbCV(HB-HbCV)がある。

さらに,1種類以上のワクチン製品を異なる注射部位に別々の注射器を使用して同時に投与してもよい。

組み合わせできる製品として,DTwP-HbCVまたはDTaP-HbCVとIPV(またはOPV)あるいはHBワクチン,および水痘ワクチンと麻疹-ムンプス-風疹ワクチンがある。

水痘ワクチンと麻疹-ムンプス-風疹ワクチンを同時投与しないなら,1カ月以上の間隔をあけて投与する。


(続く)

posted by ホーライ at 06:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ワクチン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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