2014年04月24日

不整脈について(4)

■■■ 不整脈について(4) ■■■

●不整脈の治療(1)

治療の必要性は様々で,不整脈の症状およびリスクにより左右される。

例え悪化しても,重篤なリスクを伴わない無症候性の不整脈は治療の必要はない。

症候性の不整脈は生活の質を改善するために治療が必要となりうる。

致死的となる恐れのある不整脈は治療を要する。

治療は原因に向けられる。

もし必要であれば,抗不整脈薬,カルジオバージョン除細動,ペースメーカー,またはこれらの併用を含む直接的な抗不整脈療法が用いられる。

血行動態不全症状を起こしている,または起こすと思われる不整脈患者では,治療に対する反応が評価されるまで車の運転を制限する必要があることがある。






●●● 不整脈に対する薬物 ●●●

ほとんどの抗不整脈薬は,主要な細胞電気生理学的作用に基づいて(ヴォーン-ウイリアムズ分類)主に4クラスに分類される(不整脈および伝導障害: 抗不整脈薬(ヴォーン-ウイリアムズ分類))。

ジゴキシンおよびアデノシンはヴォーン-ウイリアムズ分類には含まれない。

ジゴキシンは心房や心室の不応期を短縮し,迷走神経刺激性を有するので,その結果房室結節伝導および房室結節不応期を延長させる。

アデノシンは房室結節伝導を遅延または遮断し,房室結節伝導に依存して持続する頻脈性不整脈を停止できる。




●クラスI:

Naチャネル遮断薬(膜安定化薬)は速いNaチャネルを遮断し,速いチャネル組織(活動中の心房および心室の筋細胞,ヒス-プルキンエ系)での伝導を遅延させる。

心電図では,この作用はP波の拡大,QRS群の拡大,PR間隔の延長,またはこれらの組み合わせとして反映される。

クラスIの薬物はNaチャネル作用の動態に基づいて細分される。

クラスIbの薬物は速い動態を,クラスIcの薬物は遅い動態を,クラスIaの薬物は中等度の動態を示す。

Naチャネル遮断の動態は,電気生理学的作用が現れる時点の心拍数を決定する。

クラスIbの薬物は速い動態を有するため,その電気生理学的作用は速い心拍数でのみ発現する。

したがって,正常心拍数の正常調律中に得た心電図は,速いチャネル組織の伝導遅延の証拠を通常は示さない。

クラスIbの薬物はそれほど強力な抗不整脈薬ではなく,ごくわずかな作用を心房組織に及ぼす。

クラスIcの薬物は遅い動態を有するため,あらゆる心拍数でその電気生理学的作用を発現する。

したがって,正常心拍数の正常調律中に得た心電図は通常,速いチャネル組織の伝導遅延を示す。

クラスIcの薬物はより強力な抗不整脈薬である。

クラスIaの薬物は中等度の動態を有するため,速いチャネル組織の伝導を遅延させる作用は,正常心拍数の正常調律中に得た心電図上に認められることも認められないこともある。

クラスIaの薬物はKチャネル再分極も遮断し,速いチャネル組織の不応期を延長する。

心拍数が正常でも,心電図上でこの作用はQT間隔延長として反映される。

クラスIbの薬物およびクラスIcの薬物はKチャネルを直接遮断しない。

主な適応は,クラスIaおよびIcの薬物が上室性頻拍,クラスIの全薬物が心室頻拍である。

最も懸念される副作用は,治療中の不整脈以上に悪性の薬物関連不整脈を引き起こす催不整脈作用である。

クラスIaの薬物はtorsade point型心室頻拍を惹起しうる;クラスIaおよびクラスIcの薬物は心房性頻脈性不整脈を十分に抑制,緩徐化して,心室拍数の著明な増加を伴う1:1の房室伝導を生じさせる。

クラスIの薬物は全て心室頻拍を悪化させうる。

これらはまた,心室の収縮性を抑制する傾向がある。

クラスIの薬物のこうした副作用は構造的心疾患の患者に起こりやすいので,クラスIの薬物は一般にそのような患者には勧められない。

したがって,これらの薬物は通常,構造的心疾患のない患者または構造的な心疾患を有するが他に治療選択肢のない患者にのみ用いられる。




●クラスII:

クラスIIの薬物はβ遮断薬であり,これらは主に遅いチャネル組織(洞房および房室結節)に作用して,自動能を低下させ,伝導速度を遅延させ,不応期を延長する。

したがって,心拍数は低下し,PR間隔は延長して,房室結節では速い心房脱分極が低い頻度で伝導する。

クラスIIの薬物は主に,洞頻脈,房室結節回帰,心房細動,および心房粗動を含む上室性頻拍の治療に用いられる。

これらの薬物は心室頻拍の治療にも用いられ,心室細動の閾値を上げ,βアドレナリン受容体刺激の心室性催不整脈作用を抑制する。

β遮断薬の忍容性は一般に良好である;副作用には,倦怠感,睡眠障害,および消化管障害がある。これらの薬物は喘息患者には禁忌である。



●クラスIII:

クラスIIIの薬物は主にKチャネル遮断薬であり,これは遅いチャネル組織および速いチャネル組織において活動電位持続時間や不応期を延長する。

したがって,高頻度でパルスを伝導する心臓組織全体の機能は低下するが,伝導速度はさほど影響を受けない。

活動電位が延長するため,自動能は低下する。

心電図に及ぼす主な作用はQT間隔の延長である。

これらの薬物は上室性頻拍および心室頻拍の治療に用いられる。

クラスIIIの薬物には心室性催不整脈,特にトルサードドポアンツ心室頻拍のリスクがある。



●クラスIV:

クラスIVの薬物は非ジヒドロピリジン系カルシウムチャネル拮抗薬であり,これは遅いチャネル組織においてCa依存性活動電位を抑制するので,自動能および伝導速度は低下し,不応期が延長する。

心拍数は低下して,PR間隔は延長し,房室結節では速い心房脱分極が低い頻度で伝導する。

これらの薬物は主に上室性頻拍の治療に用いられる。


(明日へ続く)
posted by ホーライ at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 心臓と血管の病気 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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