2014年08月17日

関節リウマチ(RA)の診断(2)

RF,すなわちヒトγグロブリンに対する抗体は,約70%のRA患者に存在する。

しかしながら,RF(その値はしばしば低い)はその他の疾患の患者にも生じ,それらの疾患には,その他の結合組織病(例,全身性エリテマトーデス),肉芽腫症,慢性的な感染症(例,ウイルス性肝炎,亜急性細菌性心内膜炎,結核),悪性腫瘍が含まれる。

低力価のRFは,一般集団の3%と高齢者の20%にもみられる。

ラテックス凝集反応で測定されるRF力価(>1:80)は,RAの確認に役立つ。

RFは,現在,比濁法で最も多く測定され,正常範囲は検査施設によって異なる。


抗環状シトルリン化ペプチド(抗CCP)抗体は,RAに高い特異性(90%)と感受性(96%)を有する。抗CCP抗体は,初期の多発関節炎の鑑別診断に有用である。

X線上では,罹患して最初の数カ月は軟部組織の腫脹しかみられない。

その後,関節周囲の骨粗鬆症,関節裂隙(関節軟骨)の狭小化,辺縁のびらんが現れることがある。

びらんは最初の1年以内にしばしば発症するが,あらゆる時点で生じうる。

MRIはより感度が高いようであり,より初期の関節の炎症やびらんを検出する。



RAが診断されたら,追加的な試験を行うと合併症や予想外の異常を検出するのに役立つ。

全血球計算(CBC)および血液像を得るべきである。

正色素性(またはわずかに低色素性)正球性貧血は,患者の80%に生じ,ヘモグロビンは,通常10g/dLを超える。

Hbが10g/dL未満であれば,混合型の鉄欠乏またはその他の貧血の原因を考慮すべきである。

好中球減少は症例の1〜2%に起こり,しばしば脾腫を伴う(フェルティ症候群)。

急性期反応物質(例,血小板増加症,ESRの上昇,C反応性蛋白の上昇)は,疾患の活動性を反映する。

軽度の多クローン性高γグロブリン血症がしばしば生じる。

ESRは,活動性疾患の患者の90%で亢進する。血清補体価は正常または上昇している。

滑液検査は,新規の関節炎の発症時または滑液の貯留時には,その他の疾患を除外し,RAをその他の炎症性の関節炎(例,敗血症性関節炎および結晶誘発性関節炎)と鑑別するために必要である。

RAにおいて,関節の活動性の炎症の間,滑液は混濁し,黄色,無菌であり,粘度は低下し,白血球数は通常10,000〜50,000/μLであり,多形核球(PMN)が典型的に優位を占めるが,リンパ球および,その他の単核細胞は50%を超えることがある。

白血球の細胞質封入体は湿性の塗抹標本中にみられることがあるが,その他の炎症性の滲出液中にも存在する。結晶類は存在しない。




鑑別診断:

多くの疾患は,RAに類似していることがある。

一部の結晶誘発性関節炎の患者は,RAの判定基準を満たすことがあるが,滑液検査で診断が明らかとなるはずである。

結晶が存在すればRAである可能性は低い。

関節障害や皮下結節は,RAの他に痛風,コレステロール,アミロイドーシスから起こることもあり,結節の吸引または生検が必要でありうる。



SLEは,露光部の皮膚病変,脱毛症,口部と鼻部の粘膜の病変,長期においても非びらん性の関節炎,関節滑液の白血球数がしばしば2000個/μL未満(主に単核細胞),2本鎖DNAに対する抗体,腎疾患,低値の血清補体価により,通常は鑑別しうる。


RAと類似している関節炎は,さらにその他の結合組織疾患(例,多発動脈炎,強皮症,皮膚筋炎,多発性筋炎)でも起こり,複数の疾患の特徴を示すことがあり,それは重複症候群または混合結合組織病を示唆する。


サルコイドーシス,ホウィップル病,多中心性細網組織球症,その他の全身性疾患は,関節を侵すことがあり,その他の臨床像や組織生検は,ときにこれらの病状を見分けるのに役に立つ。急性リウマチ熱は,関節障害の移動パターンや先行する連鎖球菌性感染の所見(培養または,抗ストレプトリジン-O価の変化)を有し,対照的に,RAは相加的に関節炎を有する。

反応性関節炎(関節疾患: 反応性関節炎を参照 )は,先行する胃腸症状または尿生殖器症状;踵,仙腸関節,下肢大関節の非対称の障害;結膜炎;虹彩炎;無痛の頬部の潰瘍;連環状亀頭炎;足底やその他の部位の膿漏性角皮症によって鑑別しうる。さらに,血清および滑液の補体価はしばしば上昇する。

乾癬性関節炎(関節疾患: 乾癬性関節炎を参照 )は非対称の傾向があって,通常RFと関連していないが,爪または皮膚に病変がない場合,鑑別は困難である。

遠位指骨間(DIP)関節の障害と高度に破壊性の関節炎(破壊性関節炎)により示唆されうる。

強直性脊椎炎(関節疾患: 強直性脊椎炎を参照 )は,脊椎と軸性の関節障害,皮下結節がないこと,RFテストの陰性結果によって鑑別しうる。

変形性関節症(関節疾患: 変形性関節症(OA)を参照 )は,障害関節; リウマチ結節がないこと,全身症状,またはRFの著明な量; 滑液のWBC数が 2000個/ μL未満であることによって鑑別しうる。

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2014年08月15日

関節リウマチ(RA)について

●関節リウマチ(RA)について

関節リウマチは慢性的な自己免疫疾患であり,サイトカイン,ケモカイン,メタロプロテアーゼによって仲介される障害を引き起こす。

末梢関節(例,手関節,中手指節関節)に対称的に炎症を起こし,関節構造に進行性の破壊をしばしば生じ,通常は全身症状を伴う。

診断には,特定の臨床的,検査室的,放射線学的な判定基準を必要とする。

治療には,薬物療法,理学療法,ときに手術がある。

薬物療法は,NSAID(症状の軽減を助ける)と病態修飾性抗リウマチ薬(病状の進行を遅らせる)を併用する。


関節リウマチ(RA)には,全人口の約1%が罹患する。

女性の患者数は男性の2〜3倍である。

いずれの年代でも発症するが,35〜50歳の間に最も多発する。

小児または高齢者も罹患しうる。





●関節リウマチ(RA)の病因と病態生理

RAには自己免疫反応が含まれるけれども,正確な原因は不明であり,多数の要因が寄与しうる。

遺伝的素因が確認されており,白人集団ではクラスU組織適合抗原のHLA-DRβ1座位の共有エピトープに限局化されている。

喫煙がそうであるように,未知の環境要因(例,ウイルス感染)が病因の役割を果たしていると考えられる。



顕著な免疫異常には,滑膜表層細胞によって炎症性血管で産生される免疫複合体が含まれる。

プラスマ細胞は,これらの複合体に寄与する抗体(例,リウマチ因子[RF])を生じる。

マクロファージは,疾病初期にさらに病的な関節滑膜に移動し,マクロファージ由来の表層細胞は,血管炎症とともに顕著に増加する。

滑膜組織に浸潤するリンパ球は本来,CD4+T細胞である。


マクロファージおよびリンパ球は,関節滑膜で炎症誘発性サイトカインおよびケモカイン(例,腫瘍壊死因子[TNF],顆粒球マクロファージコロニー刺激因子,様々なインターロイキン[IL],インターフェロン-γ)を産生する。炎症伝達物質の放出は,おそらくRAの全身および関節の症状の一因となる。


慢性的に侵された関節では,正常の薄い繊細な関節滑膜が肥厚して多くの絨毛様ヒダを生じる。

滑膜表層細胞は様々な物質を生じ,それらには軟骨の破壊に寄与するコラーゲナーゼやストロメライシン;軟骨破壊,破骨細胞の仲介する骨吸収,滑膜の炎症,(炎症を増強する)プロスタグランジンを刺激するIL-1やTNF-αが含まれる。

フィブリン沈着,線維化,壊死もみられる。これらの炎症伝達物質を通して,過形成性滑膜組織(パンヌス)は,軟骨,軟骨下骨,関節包,靭帯を侵す。

多形核球(PMN)はしばしば滑液中で優位を占める。



リウマチ小結節は,RA患者の約30%に発症する。

それらは柵状の組織球性のマクロファージによって囲まれる中央が壊死性の領域からなる肉芽腫であり,全てがリンパ球,プラスマ細胞,線維芽細胞によって包まれている。

小結節および脈管炎は,多くの内臓に発症することもありうる。






●関節リウマチ(RA)の症状と徴候

RAの発病は通常潜行性であり,全身症状から始まり関節症状に進行するが,症状は同時に生じうる。

全身症状は,侵された関節の早朝のこわばり,全身性の午後の疲労と倦怠感,食欲不振,全身性脱力,微熱である。関節症状には痛みとこわばりがある。



関節症状は対称的であることが特徴である。

典型的症例では,こわばりは朝の起床時に60分以上持続するが,長い不活動状態の後にはいつでも起こりうる。

侵された関節は,発赤,熱感,腫脹,運動制限とともに圧痛をはっきりと感ずるようになる。

手根関節と示指および中指の中手指節関節は,最もよく侵される。

その他に近位指節間[PIP]関節,中足趾節関節,肘関節,足関節が侵されるが,いずれの関節も侵されうる。

体軸骨格は頸椎上部を除いて侵されることはまれである。

滑膜の肥厚が認められる。関節は痛みを最小限にするためにしばしば屈曲位で保たれるが,その痛みは関節包の膨張から起こる。

拘縮変形,特に屈曲拘縮は急速に進行しうることがある;中手指節関節部での伸筋腱の尺側への滑脱を伴う指の尺側偏位は,スワン-ネック変形やボタン穴変形のように典型的である。



関節の不安定性も生じうる。

手根管症候群は,手関節部の滑膜炎の結果として正申神経を圧迫して生じることがある。

断裂した膝窩嚢胞(ベーカー嚢胞)を発現することがあり,深部静脈血栓症を示唆する腓腹部腫脹と圧痛を生じる。




皮下のリウマチ結節は通常初期の徴候ではないが,最終的には患者の最大30%に生じ,大抵は圧力や慢性的な刺激を受ける部位にみられる(例,前腕の伸側面)。

内臓の結節は,通常は無症状であり,重度のRA患者によくある。

その他の関節外徴候には,下腿潰瘍を引き起こす脈管炎または多発性単神経炎,胸膜または心内膜の液浸出,肺結節,肺線維症,心膜炎,心筋炎,リンパ節症,フェルティー症候群,シェーグレン症候群,上強膜炎がある。

頸椎の障害は,環軸関節亜脱臼(頸部痛および背痛: 環軸関節亜脱臼を参照 )や脊髄圧迫(脊髄障害: 脊髄圧迫を参照 )を起こすことがあり,頸部の伸展で悪化することがある(例,気管内挿管中)。


RAの臨床的経過は予測不可能である。

RAは最初の6年,特に1年目に最も急速に進行し,80%の患者は,10年以内に何らかの永久的な関節異常を発症する。





●関節リウマチ(RA)の診断

多関節性の対称的な関節炎のある患者では,RAを疑うべきである。

RAの診断基準は,関節疾患: 関節リウマチの診断: 表に記載されており,4つ以上の基準が存在していれば,診断は確定する。

患者にリウマチ因子(RF)テストを行い,手および手根部のX線像,侵された関節のベースラインのX線像を撮影し,びらん性の変化をみるために記録すべきである。



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2014年08月10日

クローン病について(限局性腸炎;肉芽腫性回腸炎または回結腸炎)

クローン病は,通常回腸末端と結腸を侵すが,消化管のいかなる部位にも発生しうる慢性全層性炎症性疾患である。

症状には下痢および腹痛などがある。

膿瘍,内瘻孔,外瘻孔および腸閉塞が起こることがある。

腸管外症状,特に関節炎が起こることがある。


診断は大腸内視鏡検査およびバリウム造影検査による。

治療は,5-ASA,コルチコステロイド,免疫調節薬,抗サイトカイン薬,抗生物質,しばしば手術による。




●病態生理

疾患は陰窩炎および陰窩膿瘍として発症し,小さな巣状のアフタ様潰瘍に進行する。

これらの粘膜病変は,特徴的な敷石状外観を呈する,潰瘍間の粘膜浮腫を伴う深い縦横の潰瘍へと進展することがある。



炎症が腸壁全層に及ぶと,リンパ水腫ならびに腸壁および腸間膜の肥厚が起こる。

腸間膜の脂肪は典型的に腸の漿膜表面に広がる。腸間膜リンパ節がしばしば腫大する。

広範な炎症により,筋肉の肥厚,繊維化,および狭窄形成が生じることがあり,これらが腸閉塞を引き起こしうる。


膿瘍は一般的にみられ,瘻孔はしばしば腸壁を貫通して他の腸係蹄,膀胱,または腰筋などの隣接構造に達する;瘻孔は前腹部または側腹部の皮膚にまで及ぶことさえある。


腹腔内疾患の活動性とは無関係に,肛門周囲の瘻孔および膿瘍が症例の4分の1から3分の1に起こる;これらの合併症はしばしば,クローン病の最も厄介な側面である。



非乾酪性肉芽腫はリンパ節,腹膜,肝臓,および腸壁全層に起こりうる。

肉芽腫は,存在すれば,クローン病に特徴的な所見であるが,クローン病患者の50%にみられない。

それらの存在は臨床経過には関連していないようである。


腸の病変部は,隣接する正常の腸(“スキップエリア”)とはっきり区別され,これが限局性腸炎という名のゆえんである。

クローン病の約35%の症例は,病変が回腸に限局している(回腸炎);約45%は回腸と結腸に炎症が生じ(回結腸炎),右側結腸に好発する;約20%は結腸に限局しているが(肉芽腫性大腸炎),そのほとんどが潰瘍性大腸炎(UC)と異なり,直腸は侵されない。

時に小腸全体が侵される(空回腸炎)。

まれに,胃,十二指腸,または食道が侵される。

この疾患は通常,外科的介入を行わない限り,初期診断時に侵されていない小腸の部分に及ぶことはない。



小腸の病変部では,癌のリスク増大が認められる。

大腸病変を有する患者は結腸直腸癌の長期リスクがあり,このリスクは罹患範囲および罹病期間が同じであると仮定すると,UC患者のリスクと同等である。




●症状と徴候

最も一般的な初発症状は腹痛,発熱,食欲不振,および体重減少を伴う慢性の下痢である。

腹部には圧痛があり,腫瘤または膨満を触知することがある。

肉眼的直腸出血は大腸の孤立性病変の場合を除いてまれであり,この病変はUCに似た症状を示すことがある。

一部の患者は,急性虫垂炎または腸閉塞と似た急性腹症を呈する。

約3分の1の患者に肛門周囲病変(特に裂溝と瘻孔)が認められ,それは時に最も顕著または最初の訴えでさえある。



小児では,腸管外発現がしばしば胃腸症状よりも多い;関節炎,原因不明熱,貧血,または成長遅延が認められることがあり,腹痛や下痢はないことがある。


再発病変では,症状は様々である。

痛みは最も一般的で,単純な再発および膿瘍形成のいずれでも起こる。

重度の急性増悪または膿瘍患者では,著明な圧痛,筋性防御,反跳痛,および全身中毒症状を認める可能性が高い。

狭窄部位では,腸閉塞が起こることがあり,疝痛,膨満,便秘,および嘔吐が起こる。

既往手術による癒着も腸閉塞を引き起こすことがあり,これはクローン病の急性増悪による閉塞に特有の前駆症状(発熱,疼痛,および倦怠感)を伴わずに急激に発症する。

腸管膀胱瘻によって尿中に気泡(気尿)が出現することがある。皮膚に排泄する瘻孔を認めることがある。腹腔内への遊離穿孔はまれである。



慢性疾患は,発熱,体重減少,栄養失調,および腸管外発現(炎症性腸疾患を参照 )などの様々な全身症状を引き起こす。

“ウィーン分類”はクローン病を主な3型に分類している:(1)主に炎症性で,一般に数年後に,(2)主に狭窄性もしくは閉塞性,または(3)主に穿孔性もしくは瘻孔性のいずれかになる。

これらの異なった臨床型により異なった治療法が決まる。

いくつかの遺伝的研究が,この分類の分子基盤を示唆している。




●診断

炎症性または閉塞性症状のある患者や,顕著な胃腸症状はないが,肛門周囲の瘻孔や膿瘍,または他には説明のつかない関節炎,結節性紅斑,発熱,貧血,もしくは(小児における)発育不全のある患者については,クローン病を疑うべきである。

クローン病の家族歴がある患者も疑いが強い。


同様の徴候および症状(例,腹痛,下痢)が他の消化器疾患によって引き起こされることがある。

クローン病が大腸に限局している20%の症例では,UCとの鑑別が困難なことがある。

しかしながら,治療は類似しているので,この鑑別は,手術または実験的治療を検討する場合に限り重要な意味をもつ。




急性腹症を呈している患者(初発または再発のいずれか)には臥位および立位腹部X線ならびに腹部CTスキャンを行うべきである。

これらの検査は閉塞,膿瘍または瘻孔,および急性腹症の他の考えられる原因(例,虫垂炎)を証明する。

超音波検査は,下腹部痛および骨盤痛のある女性における婦人科的病変の描出に優れていることがある。



初発症状が急性でなければ,CTよりも小腸のフオロースルーを伴う上部消化管造影および回腸末端のスポット撮影が望ましい。

上部消化管造影で,狭窄(“ストリングサイン”描出による),瘻孔,または腸係蹄の分離が証明されれば診断となる。

所見が疑わしい場合には,高位浣腸法またはビデオカプセル小腸鏡で表在性のアフタ性潰瘍および線状潰瘍を認めることがある。

症状が主に結腸の症状のようにみえる場合には(例,下痢),バリウム注腸X線検査を実施してもよく,この検査で回腸末端へのバリウム逆流,ならびに不整,小結節形成,硬直,壁肥厚,および内腔狭窄を認めることがある。

同様のX線所見が,盲腸癌,回腸カルチノイド,リンパ肉腫,全身性血管炎,放射性腸炎,回盲部結核,およびアメーバ腫においてみられる。




非定型例(例,主として下痢,わずかな痛みを伴う)においては,評価はUCが疑われる場合と同様で,大腸内視鏡検査による(生検,腸内病原菌のためのサンプリング,および,可能であれば,回腸末端の観察を含む)。

上部消化管症状がない場合でも,上部消化管内視鏡検査で胃十二指腸の病変が同定されることがある。



貧血,低アルブミン血症,および電解質異常をスクリーニングするため,臨床検査を行うべきである。

肝機能検査を行うべきである;アルカリホスファターゼおよびγグルタミルトランスペプチターゼ値の上昇は,原発性硬化性胆管炎の可能性を示唆する。

白血球増加または急性期反応物質(例,赤血球沈降速度,C反応性蛋白)の値の上昇は非特異的であるが,疾患の活動性をモニタリングするために連続的に用いてもよい。


核周囲抗好中球細胞質抗体(P-ANCA)はUC患者の60〜70%において認められるが,クローン病患者では5〜20%に過ぎない。

抗サッカロミセス-セレヴィシア抗体はクローン病に比較的特異的である。

しかしながら,これらの検査では2つの疾患は確実に鑑別されない。

それらは“中間型大腸炎”症例においては有用性が不明で,ルーチンの診断法として推奨されない。





●予後

確定したクローン病は,間欠性の再燃および寛解を特徴とし,治癒することはまれである。

衰弱させるような激しい疼痛が頻繁に起こる重度の疾患に苦しむ患者もいる。

しかしながら,賢明な薬物療法,適切な場合には外科的治療によって,大部分の患者が機能を保ち,うまく順応する。疾患に関連する死亡率は非常に低い。

クローン病に関連する死亡の主因は,結腸および小腸癌などの消化管癌である。




●治療


一般的な管理: 痙攣および下痢は,ロペラミド2〜4mg,最大1日4回(食前が理想的),経口投与によって軽減することがある。

こうした対症療法は安全であるが,重度の急性クローン結腸炎の場合には,UCと同様に中毒性巨大結腸症に進行することがある。

親水性粘漿薬(例,メチルセルロースまたはオオバコ製剤)は,時に便硬度上昇による肛門刺激の予防に有用である。

狭窄性疾患や活動期の結腸炎では食物繊維を避けるべきである。



軽度から中等度の疾患: このカテゴリーには,経口摂取でき,毒性,圧痛,腫瘤,閉塞の徴候がない外来患者が含まれる。

5-アミノサリチル酸(5-ASA,メサラミン)は第1選択薬として一般に使用されるが,小腸疾患に対する効果はそれほど大きくない。


ペンタサは回腸末端よりも近位の疾患に最も有効な製剤である;アサコールは遠位回腸の疾患に有効である;クローン結腸炎に対する効果はどの製剤もほぼ同等であるが,同じ用量で比較した場合,スルファサラジンより新しいどの製剤もスルファサラジンほど有効ではない。


抗生物質は一部の臨床医には第1選択薬と考えられているが,4週間の5-ASAに反応しない患者にのみ使用されることもある;それらの使用は全く経験的である。

これらのどの薬物による治療でも,8〜16週間を要することがある。



奏効患者は維持療法に切り替える。

中等度から重度の疾患: 瘻孔や膿瘍はないが,著明な疼痛,圧痛,発熱,もしくは嘔吐のある患者,または軽度の疾患に対する治療に反応しなかった患者は,症状の重症度および嘔吐の回数にもよるが,経口または非経口のコルチコステロイドを必要とする。

経口プレドニゾンまたはプレドニゾロンは,経口ブデソニドよりも迅速かつ確実に作用しうるが,副作用は後者の方が若干少ない。


コルチコステロイドに反応しない患者または漸減できない患者に,アザチオプリン,6-メルカプトプリン,または場合によってはメトトレキサートを投与すべきである。

インフリキシマブはコルチコステロイド投与後の第2選択薬として選ばれることがあるが,活動性感染症には禁忌である。



癒着によるものであろうとクローン病によるものであろうと,閉塞は最初に経鼻胃管吸引,静脈内輸液,および時に経静脈栄養によって管理する。

合併症のないクローン病による閉塞は数日以内に消失する;速やかな効果が認められない場合は,合併症または別の病因が示唆され,直ちに手術を行う必要がある。



劇症疾患または膿瘍: 中毒症状,高熱,持続性嘔吐,反跳痛,圧痛のある腫瘤,または触知できる腫瘤のある患者については,静脈内輸液および抗生物質投与のために入院させる必要がある。

膿瘍に対して経皮的または外科的ドレナージを行う必要がある。

静注コルチコステロイドは,感染が除外されている場合またはコントロールされている場合に限り投与すべきである。

5〜7日の間にコルチコステロイドに対する反応が認められない場合には,通常,外科手術の適応となる。




瘻孔: 瘻孔は,最初はメトロニダゾールおよびシプロフロキサシンで治療する。

3〜4週間のうちに反応しない患者には,より迅速な反応のために,免疫調節薬(例,アザチオプリン,6-メルカプトプリン)を投与することがあり,場合によってはインフリキシマブを用いた寛解導入療法を併用する。

シクロスポリンは代替薬であるが,治療後,瘻孔がしばしば再発する。

重度の難治性肛門周囲瘻孔は,一時的人工肛門造設術を必要とすることがあるが,再吻合後,ほぼ必ず再発する;したがって,人工肛門造設術は主要な治療ではなく根治手術の補助と考えるのが適切である。



維持療法: 寛解を得るために5-ASAだけが必要な患者は,同薬物で維持できる。

コルチコステロイドまたはインフリキシマブによる急性治療を必要とする患者は,一般に,寛解を維持するためにアザチオプリン,6-メルカプトプリン,またはメトトレキセートが必要である。

コルチコステロイドは,長期維持療法として安全でもなく有効でもない。

急性疾患に対してインフリキシマブが有効であるが,代謝拮抗薬で良好に維持されない患者は,インフリキシマブ5〜10mg/kgを8週間間隔で反復投与することによって寛解を維持することがある。

寛解期のモニタリングは,症状および血液検査によって行うことができ,発症から7年以降はX線や大腸内視鏡検査(年1回の異形成のルーチンサーベイランス以外)を必要としない。



手術: 約70%の患者が最終的に手術を必要とするが,手術は常にしぶしぶ行われる。

手術は,再発性腸閉塞,難治性瘻孔,または難治性膿瘍がある場合にのみ行うのが最もよい。

臨床的に明らかな全ての病変を切除した後も再発する可能性が高いので,腸病変の切除によって症状は改善しうるがクローン病が治癒することはない。

吻合部の内視鏡的病変によって定義される再発率は,1年で70%以上,3年で85%以上である;臨床症状によって定義される再発率は,3年で約25〜30%,5年で40〜50%である。

最終的には50%近くの症例で再手術が必要となる。

しかしながら,再発率は6-メルカプトプリン,メトロニダゾール,または場合によっては5-ASAの術後早期予防投与で低下するようである。

適切な適応症に対して手術を施行した場合,ほぼ全ての患者において生活の質の向上がみられる。



以上


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2014年08月07日

炎症性腸疾患(IBD)の治療

●炎症性腸疾患(IBD)の治療

数種類のクラスの薬物がIBDに有用である。それらの選択および使用の詳細については,各疾患の項目で述べる。

5-アミノサリチル酸(5-ASA,メサラミン): 5-ASAはプロスタグランジンおよびロイコトリエンの産生を阻害し,炎症カスケードに他の有益な効果をもたらす。

5-ASAは腸管内でのみ活性を有し,近位小腸で急速に吸収されるので,経口投与時に吸収が遅延するよう配合する必要がある。

このクラスの最初の薬剤であるスルファサラジンは,5-ASAの吸収を遅延させるためにサルファ剤の構造を有するスルファピリジンを結合させた化合物である。

この化合物は,下部回腸および大腸の腸内細菌叢によって分解され,5-ASAを放出する。

しかしながら,サルファ成分は数多くの副作用(例,悪心,消化不良,頭痛)を引き起こし,葉酸の吸収を阻害し,また,時として重篤な副作用(例,溶血性貧血または顆粒球減少症および,まれに,肝炎または肺炎)を引き起こす。

可逆性の精子数減少と精子運動性低下が最大80%の男性で生じる。



スルファサラジンを使用する場合は,食事とともに,最初は低用量(例,0.5g経口で1日2回)で投与し,数日かけて1〜2g,1日2〜3回に徐々に増量すべきである。

患者は,葉酸サプリメント1mg/日,経口にて服用し,CBCおよび肝機能検査を6〜12カ月毎に受けるべきである。




5-ASAと他の賦形剤を結合させた新しい薬物は,ほぼ同等に有効であると思われるが,副作用がより少ない。

オルサラジン(5-ASAの二量体)およびバルサラジド(不活性化合物に結合した5-ASA)は細菌のアゾ還元酵素によって分解される(スルファサラジンと同様)。

これらの薬物は主に結腸で活性化され,近位小腸疾患に対しては有効性が低い。

オルサラジンの用量は500〜1500mg,1日2回,バルサラジドは2.25g,1日3回である。

時にオルサラジンは,特に全大腸炎型の患者において,下痢を引き起こすことがある。

用量漸増および食事との同時投与によって,この問題を最小限に抑える。





他の剤形の5-ASAは,遅延放出コーティングを使用している。

アサコール(典型的な用量は800〜1200mg,1日3回)は,アクリルポリマーでコーティングされた5-ASAで,アクリルポリマーのpHに対する溶解度によって遠位回腸や結腸に入るまで薬物の放出が遅延する。

ペンタサ(1g,1日4回)はエチルセルロースの微小顆粒でコーティングされた5-ASAで,薬物の35%を小腸で放出する。

メサラミン投与に続発する急性間質性腎炎がまれに起こる;早期に確認されれば,ほとんどの症例が可逆的であるので,腎機能の定期的なモニタリングが望ましい。




5-ASAはまた,坐薬(500mg,1日2回または3回)または浣腸(4g,就寝時または1日2回)として直腸炎型および左側結腸型に利用できる。

これらの直腸製剤は,急性治療および長期間の維持療法に有効であり,経口5-ASAとの併用で効果が増大することがある。





コルチコステロイド:

コルチコステロイドは,5-ASA化合物が不十分である場合,ほとんどの型のIBDの急性増悪に有用であるが,維持療法としては適していない。

重度の疾患に対して,ヒドロコルチゾン300mg/日を静脈内投与またはメチルプレドニゾロン60〜80mg/日を持続点滴もしくは分割投与する;中等度の疾患には,経口プレドニゾンまたはプレドニゾロン40〜60mgを1日1回投与してもよい。治療は症状が寛解するまで継続し(通常7〜28日),1週間に5〜10mgの割合で,20mg,1日1回まで漸減し,次に5-ASAまたは免疫調節薬による維持療法を行いながら,1週間に2.5〜5mgの割合でさらに漸減する。

短期間の高用量コルチコステロイドの副作用には,高血糖,高血圧,不眠,多動,および急性の精神病エピソードなどがある。




ヒドロコルチゾン注腸または泡沫を直腸炎型および左側結腸型に用いることがある;浣腸として,100mgを60mLの等張液に溶かして1日1回または2回投与する。

できるだけ長時間腸内に留めるべきである;患者は左側臥位で,殿部を挙上し,夜間に点滴注入することによって保留時間が延長し分布が拡大しうる。

有効であれば,約2〜4週間は毎日,その後1〜2週間は隔日で治療を継続し,それから1〜2週間かけて徐々に中止すべきである。




ブデソニドは肝代謝初回通過が大きい(90%以上)コルチコステロイドである;したがって,経口投与は消化管疾患に著明な効果をもたらす可能性があるが,副腎抑制は最小限に抑えられる。

経口ブデソニドはプレドニゾロンよりも副作用が少ないが,効果はそれほど迅速でなく,重症度の低い疾患に典型的に用いられる。

用量は9mg,1日1回である。また,米国以外では浣腸として利用可能である。他のコルチコステロイドと同じく,ブデソニドは長期維持には無効である。






免疫調節薬: アザチオプリンおよびその代謝産物である6-メルカプトプリンはT細胞機能を阻害する。

それらは長期間有効であるため,コルチコステロイドの必要性が減少し,何年も寛解が維持される可能性がある。

これらの薬物が臨床効果を現すにはしばしば1〜3カ月を要するので,コルチコステロイドは少なくとも2カ月目までは中止できない。

アザチオプリンの用量は通常,2.5〜3.0mg/kg,経口にて1日1回,6-メルカプトプリンは1.5〜2.5mg/kg,経口にて1日1回であるが,用量は個々の代謝により異なる。

定期的に白血球数を測定することによって骨髄抑制の徴候をモニタリングする必要がある(1カ月間は隔週,その後は1〜2カ月毎)。

患者の約3〜5%において膵炎または高熱が起こる;いずれの場合にも再投与の絶対的禁忌となる。

肝毒性はよりまれで,6〜12カ月毎に血液検査でスクリーニングできる。





一部のコルチコステロイド抵抗性重症患者(アザチオプリンや6-メルカプトプリンが奏効しなかった患者でも)に対して,メトトレキサート15〜25mg,週1回,経口,筋肉内または皮下投与が有効である。

悪心,嘔吐,および無症候性肝機能検査異常がよくみられる。

一部の副作用は,葉酸1mg,1日1回経口投与で軽減することがある。

飲酒,肥満,および糖尿病は肝毒性の危険因子である。

これらの病態を有する患者については,総量1.5g投与後に肝生検を行うべきである。




シクロスポリンはリンパ球の活性化を阻害し,シクロスポリンを投与しなければ大腸切除術が必要となるであろうコルチコステロイド抵抗性重症UC患者に有効なことがある。

クローン病に対する有用性は難治性の瘻孔または膿皮症患者においてのみ十分に立証されている。

初回量は4mg/kg,静注,1日1回である;奏効した場合には,6〜8mg/kg,経口にて1日1回に切り替え,すぐにアザチオプリンまたは6-メルカプトプリンに切り替える。

複数の副作用(例,腎毒性,てんかん発作,日和見感染)が認められる場合には長期使用(6カ月以上)は禁忌である。


一般に,より安全な根治療法である大腸切除術を避ける理由がなければ,シクロスポリン投与は行わない。

この薬物を使用する場合,血中溝槽濃度を200〜400ng/mLに保つべきであり,ニューモシスチスジロベジ(以前はニューモシスチス-カリニと呼ばれた)の予防を考慮すべきである。

移植患者において使用される免疫抑制薬 タクロリムスは,シクロスポリンと同程度の効果があると思われる。




抗サイトカイン薬: インフリキシマブ,CDP571,CDP870,およびアダリムマブはTNFに対する抗体である。

ナタリズマブは白血球接着分子に対する抗体である。これらの薬剤はクローン病に対して有用なことがあるが,UCに対する効果は不明である。




インフリキシマブは5mg/kgを2時間かけて1回静脈内注入する。

一部の臨床医は6-メルカプトプリンを同時に開始し,インフリキシマブをこの遅効性薬物の効果が発現するまでの橋渡しとして使用する。

2週間後にコルチコステロイドの漸減を開始してもよい。

必要に応じて,インフリキシマブを8週間毎に繰り返す。

副作用には遅延型過敏反応,頭痛,および悪心などがある。数人の患者がインフリキシマブの使用後に敗血症で死亡しているので,コントロール不良の細菌感染が存在するときは禁忌である。

さらに,結核の再活性化は本剤に起因している;したがって,使用前にPPDおよび胸部X線によるスクリーニングが必要である。




サリドマイドはTNF-αおよびインターロイキン-12の産生を減少させ,ある程度の抗血管新生作用を有する。

一部のクローン病患者に有効なことがあるが,催奇形性および他の副作用(例,発赤,高血圧,神経毒性)によって,使用が調査研究に限定されている。

他の抗サイトカイン,抗インテグリン,および成長因子は研究の途上にある。




抗生物質およびプロバイオティクス: 抗生物質はクローン病には有用であるが,UCに対する有用性は限られている。

メトロニダゾール500〜750mg,1日3回,4〜8週間経口投与で軽度の疾患がコントロールされ,瘻孔の治癒が促進することがある。

しかしながら,副作用(特に神経毒性)のため治療を終了できないことがある。

シプロフロキサシン500〜750mg,経口にて1日2回はより毒性が低い可能性がある。

メトロニダゾールとシプロフロキサシンの併用を推奨する専門家もいる。




毎日投与される様々な非病原性微生物(例,大腸菌i,,ラクトバシラス属s,,サッカロミセスス)はプロバイオティクスとして働き,嚢炎(see also the Cochrane review abstract: pharmacotherapy for induction and maintenance of remission in pouchitis)(炎症性腸疾患: 手術を参照 )の予防に有効なことがあるが,他の治療上の役割はまだ明確に定義されていない。



支持療法: ほとんどの患者とその家族は食事とストレス管理に関心を持っている。

厳格な炭水化物の制限を伴うものも含めて,特定の食事による臨床的改善に関する症例報告はあるが,対照試験では何の効果も示されていない。

ストレス管理が有用なことがある。



以上


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2014年08月02日

前立腺肥大症の治療薬としては肥大結節の縮小を目指した( A )が用いられる。

問題1.次の文章は正しいか?

前立腺肥大症の治療薬としては肥大結節の縮小を目指した
( A )が用いられる。

(1)アンドロゲン拮抗薬  (2)エストロゲン拮抗薬







」」」」」」」」」」」」
   答え
」」」」」」」」」」」」

(1)アンドロゲン拮抗薬

例)

酢酸クロマジノン(販売名:プロスタール、プロスタット等)

アリルエストレノール(販売名:パーセリン、ペリアス等)








問題2.次の文章のかっこに入るのは何番か?

前立腺肥大症の治療薬としては機能的尿路閉塞を取り除くための
( A )が用いられる。

(1)α1受容体遮断薬  (2)β受容体遮断薬












」」」」」」」」」」」」
   答え
」」」」」」」」」」」」

(1)α1受容体遮断薬

例)

塩酸タムスロシン(販売名:ハルナール)

ナフトピジル(販売名:フリバス、アビショット等)





問題3.次の文章のかっこに入るのは何番か?

前立腺肥大症の治療薬としては肥大によって生じた浮腫や炎症を
取り除くための漢方薬としては( A )が用いられる。


(1)小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
(2)八味地黄丸(はちみじおうがん)








」」」」」」」」」」」」
   答え
」」」」」」」」」」」」

正解は(2)八味地黄丸(はちみじおうがん)

(1)小青竜湯(しょうせいりゅうとう)は鼻炎などの漢方薬







問題4.「前立腺」は次のどれか?

1)prostate gland

2)tonsil

3)thyroid gland










」」」」」」」」」」」」
   答え
」」」」」」」」」」」」

正解は「1)prostate gland」です。


*2)tonsil =扁桃

*3)thyroid gland =甲状腺


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2014年07月27日

炎症性腸疾患(IBD)とは

●炎症性腸疾患(IBD)とは

炎症性腸疾患(IBD)は,クローン病および潰瘍性大腸炎(UC)を含み,下痢および腹痛をもたらす消化管各部の慢性炎症を特徴とする,再発と寛解を繰り返す病態である。


炎症は,消化管粘膜における細胞性免疫反応により生じる。

正確な病因は不明である;証拠が示唆するところによると,多因子性の遺伝的素因(おそらく,異常な上皮性関門および粘膜の免疫防御が関与)を有する患者において,正常腸内細菌叢が免疫反応を引き起こすということである。

特異的な環境的,食事性,感染性の原因は同定されていない。


免疫反応には,サイトカイン,インターロイキン,および腫瘍壊死因子(TNF)などの炎症メディエーターの放出が関与している。

クローン病とUCは似ているが,両者はほとんどの症例で鑑別できる。

大腸炎症例の約10%は中間型と考えられる。

大腸炎という用語は,大腸の炎症性疾患に対してのみ適用される(例,潰瘍性,肉芽腫性,虚血性,放射性,感染性)。

痙攣性(粘液性)大腸炎というのは,機能障害である過敏性腸症候群(下部消化管症状を訴える患者へのアプローチ: 過敏性腸症候群(IBS)を参照 )に対してときどき用いられる誤称である。




●炎症性腸疾患の疫学

IBDは全ての年齢で起こるが,通常,30歳未満に始まり,発生率のピークは14〜24歳である。UCは50〜70歳に1回目よりは小さい2回目のピークがあることがある;しかしながら,この後のピークには一部の虚血性大腸炎症例が含まれている可能性がある。

IBDは北欧人およびアングロサクソン系の人に最も多く,ユダヤ人では数倍多い。

中欧および南欧において,発生率はより低く,南米,アジアおよびアフリカにおいてはさらに低くなる。

しかしながら,北米に居住する黒人およびラテンアメリカ人における発生率は増加している。


罹患率に男女差はみられない。IBD患者の第1度近親者は,リスクが4〜20倍高い;その絶対リスクは7%にまで達することがある。

家族性の傾向は,UCよりもクローン病においてずっと高い。

クローン病(UCではない)のリスクを増大させる特定の遺伝子突然変異が同定されている。

喫煙はクローン病の発症または増悪の一因となるようであるが,UCのリスクを低下させる。

非ステロイド性抗炎症薬はIBDを悪化させることがある。




●腸管外発現

クローン病およびUCは双方とも腸以外の器官を侵す。

腸管外発現のほとんどは,小腸に限局するクローン病よりも,UCおよびクローン結腸炎で起こることが多い。

腸管外発現は次の3つのカテゴリーに分類される:




1.通常,IBDの急性増悪に平行する(すなわち,それとともに再燃と寛解を繰り返す)障害。

これらには,末梢関節炎,上強膜炎,アフタ性口内炎,結節性紅斑,および壊疽性膿皮症などがある。関節炎は大関節を侵す傾向があり,また,移動性および一過性の傾向がある。

IBDで入院している患者の3分の1以上で,これらの平行する障害のうち1つ以上が発現する。




2.おそらくIBDから生じるが,IBDの急性増悪とは無関係のように思われる障害。

これらには強直性脊椎炎,仙腸骨炎,ぶどう膜炎,および原発性硬化性胆管炎などがある。

強直性脊椎炎は,HLA-B27抗原を有するIBD患者に好発する。

脊椎または仙腸骨病変のある患者の大多数は,ぶどう膜炎の所見を有し,逆のこともいえる。

原発性硬化性胆管炎は胆道癌の危険因子であり,胆道癌は結腸切除から20年後でも発症することがある。

患者の3〜5%に肝疾患(例,脂肪肝,自己免疫性肝炎,胆管周囲炎,肝硬変)が起こるが,軽度の肝機能検査値異常はより高頻度にみられる。

これらの病態の一部(例,原発性硬化性胆管炎)はIBDの発症よりも何年も前に起こることがあり,診断時にIBDの評価を行うべきである。



3.腸の生理機能の障害が原因して生じた結果である疾患。

これらは主に,重度の小腸クローン病において起こる。

吸収不良は,広範な回腸切除により生じ,ビタミンB12およびミネラルの欠乏を引き起こすことがあり,結果として貧血,低カルシウム血症,低マグネシウム血症,凝固障害,骨の無機質減少,小児では成長および発達の遅延が起こる。


他の障害には,食事性シュウ酸の過剰吸収に起因する腎結石,腸の炎症過程による尿管圧迫から生じる水尿管症および水腎症,胆汁酸塩の回腸での再吸収障害による胆石,および長期間続く炎症や化膿性疾患に続発するアミロイドーシスなどがある。

3つの全てのカテゴリーの多数の因子が原因で血栓塞栓症が起こることがある。


posted by ホーライ at 23:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 内臓疾患 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

前立腺肥大症とは?

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4)基礎医学、薬学の試験問題 290
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
問題1.次の文章は正しいか?

前立腺肥大症とは、内腺の肥大によって前立腺部尿道の
通過促進を中心とした症状を生じたものをいう。

(A)正しい  (B)間違い






」」」」」」」」」」」」
   答え
」」」」」」」」」」」」

(B)間違い

通過促進 ⇒ 通過障害








問題2.次の文章のかっこに入るのは何番か?

前立腺肥大の発生機序についてはすべてが解明されて
いるわけではないが、( A )の存在と加齢が原因と
なっていることは確かである。

(1)アンドロゲン(男性ホルモン)

(2)エストロゲン(女性ホルモン)







」」」」」」」」」」」」
   答え
」」」」」」」」」」」」

(1)アンドロゲン(男性ホルモン)









問題3.次の文章は正しいか?

前立腺肥大症の症状としては、排尿困難、残尿などの
閉塞症状と、頻尿(特に夜間頻尿)、尿意切迫などの
膀胱刺激症状がみられる。

(1)正しい  (2)間違い









」」」」」」」」」」」」
   答え
」」」」」」」」」」」」

(1)正しい 







問題4.「前立腺肥大症」は次のどれか?

1)urocystitis

2)nephritis

3)hypertrophy of prostate gland








」」」」」」」」」」」」
   答え
」」」」」」」」」」」」

正解は「3)hypertrophy of prostate gland 」です。


*1)urocystitis =膀胱炎

*2)nephritis =腎炎


posted by ホーライ at 06:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 病気の知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月19日

アトピー性皮膚炎とは?(2)

●アトピー性皮膚炎とは?(2)


●診断

診断は臨床像で行う( 皮膚炎: アトピー性皮膚炎の臨床的所見*表 1: 表を参照)。

ADはしばしば他の皮膚疾患(例,脂漏性皮膚炎,接触皮膚炎,貨幣状皮膚炎,乾癬)との鑑別が困難であるが,アトピーの家族歴および病変の分布が鑑別に役立つ。

乾癬は通常屈側よりも伸側に分布して,手指の爪を侵すことがあり,ADよりも光沢のある(雲母状)鱗屑を伴う。

脂漏性皮膚炎は顔面(例,鼻唇溝,眉毛,眉間部,頭皮)に最も好発する。

貨幣状皮膚炎は屈側に生じず,苔癬化することはまれである。

ADのアレルギー性増悪因子は,皮膚テストおよび/またはアレルゲン特異性IgE濃度の測定で同定できる。

患者に他の皮膚疾患が発症する可能性もあるので,続発する皮膚疾患が全てADに由来するわけではない。



●予後と治療

小児のADはしばしば5歳までに改善するが,思春期を通して,さらには成人期になっても増悪がよくみられる。

女児および重症の患者,発症の早い患者,家族歴のある患者,鼻炎または喘息を伴う患者では,本疾患の長引く傾向がある。

このような患者でも,ADは30歳までに完全消退することが多い。

人格の形成期に,目に見え,ときには身体障害を来す皮膚疾患を背負って生きるという数多くの課題に小児が直面するため,ADでは長期にわたって心理学的続発症を来すことがある。

長期にわたるAD患者は,20代か30代に白内障を発症することがある。


治療は通常家庭で行えるが,剥脱性皮膚炎(皮膚炎: 剥脱性皮膚炎を参照 ),蜂巣炎,ヘルペス性湿疹の患者は入院が必要なこともある。



支持療法:

スキンケアとして保湿がある。入浴および手洗いは頻繁に行わず,ぬるま湯(熱くない)を使用するべきである;セッケンは病変を乾燥させ刺激となるので,皮膚炎部での使用は最小限にとどめるべきである。

コロイド性のオートミール浴が有用なこともある。

ボディオイルを使用したり,白色ワセリン,植物油,親水ワセリン(患者がラノリンにアレルギーがなければ)などの皮膚軟化剤を入浴直後に外用すれば,有用なことがある。

重症の病変に対しては,持続的に湿ったドレッシング(wet-to-dryドレッシングではなく)を用いてもよい。

コールタールクリームまたはコールタール油は効果的な止痒性外用薬である。



抗ヒスタミン薬はそう痒の軽減に役立つ。

抗ヒスタミン薬の使用法として,ヒドロキシジン25mg,経口,1日3回または4回投与(小児では,0.5mg/kgを6時間毎,または2mg/kgを単回投与で眠前に投与)およびジフェンヒドラミン25〜50mg,経口,眠前投与がある。

ロラタジン,フェキソフェナジン,セチリジンといった鎮静作用の弱いH1ブロッカーが効くこともあるが,それらの有用性はまだ確定していない。

三環系抗うつ薬のドキセピンもH1および H2レセプター遮断作用を持ち,25〜50mg,経口,眠前投与を行えば有益かもしれないが,12歳未満の小児では勧められない。

手指の爪は短く切り,引っかき傷や二次感染を最小限にとどめるべきである。






増悪因子の回避:

家庭内の抗原は,合成繊維の枕や不透過性のマットレスカバーを使用する;熱湯で寝具を洗う;布張り家具,柔らかい玩具,カーペット,ペット(チリダニおよび動物のフケ)を除去する;地下室などの風通しの悪い湿った部屋では除湿器を使う(カビを減らすため)ことで制御できる。

情動的ストレスの軽減は有効であるが,しばしば困難である。

抗ブドウ球菌性抗生物質は,外用薬(ムピロシン,フシジン酸)であれ内服薬(ジクロキサシリン,セファレキシン,エリスロマイシン,いずれも250mg,1日4回投与)であれ,黄色ブドウ球菌の鼻腔内コロニーを制御でき,特異的な治療に反応せず鼻腔培養が陽性の重症患者に適応である。

抗原性をもつ食物に対する暴露を除く目的で広範な食事変更を行うことは不要であり,おそらく効果がない;食物過敏症が小児期を過ぎても持続することはまれである。




コルチコステロイド:

コルチコステロイドは中心的な治療手段である。

クリームまたは軟膏を1日2回塗布すれば,軽症から中等症の患者の大半で有効である。

皮膚軟化剤はコルチコステロイドの塗布の間に用いるが,病変部に外用するコルチコステロイドの必要量を減らすために,コルチコステロイドと混合してもよい。

コルチコステロイドの全身投与(プレドニゾン60mg投与,または小児では1mg/kg,経口,1日1回投与,7〜14日の短期間使用)は病変が広範で難治性の場合に適応であるが,しばしば病変が再発し外用療法の方が安全なので,可能なら避けるべきである。

乳幼児に対し長期かつ広範に強力なコルチコステロイドクリームまたは軟膏を使用するのは,副腎抑制を続発させることがあるので避けるべきである。



他の治療法:

タクロリムスおよびピメクロリムスはADに有効なT細胞阻害薬である。

これらの薬剤は,患者がコルチコステロイドやタール剤に反応しない時,または皮膚萎縮,皮膚伸展線条の形成,副腎抑制などコルチコステロイドの副作用が懸念されるときに用いるべきである。

タクロリムスまたはピメクロリムスのクリームは1日2回塗布する。

塗布後のほてり感またはピリピリ感は通常一過性であり,数日後には軽減する。潮紅はさらに少ない。




光線療法は広範なADに有用である。

自然の日光を浴びれば,多くの患者で病気が軽快する。

別法として,紫外線A(UVA)または紫外線B(UVB)を用いた治療を行ってもよい。

ソラレンを用いるUVA療法(PUVA―乾癬および鱗屑を伴う疾患: 光線療法を参照 )は広範で難治性のADに残しておく。

副作用には日光による障害がある(例,PUVA黒子,黒色腫以外の皮膚癌);このため,PUVAは小児や若年成人に適応となることはまれである。



少なくとも一部の患者で有効な全身性免疫調節薬には,シクロスポリン,インターフェロン-γ,ミコフェノレート,メトトレキサート,アザチオプリンがある。

いずれの薬剤もT細胞の機能を抑制または阻害し,抗炎症作用をもつ。

これらの薬剤は,外用療法や光線療法で改善しなかった広範で難治性または身体障害を来すADに適応である。



疱疹状湿疹はアシクロビルで治療する。

乳幼児では10〜20mg/kgを8時間毎に静脈内投与する;軽症の年長児および成人では200mg,経口,1日5回投与を行う。



以上


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2014年07月16日

アトピー性皮膚炎とは?(1)

●アトピー性皮膚炎とは?(1)

アトピー性皮膚炎は免疫が介在する皮膚の炎症で,しばしば遺伝的な要素が大きい。

そう痒が主たる症状である;皮膚病変は軽度な紅斑から高度な苔癬化まで様々である。

診断は病歴と身体診察で行う。治療には保湿薬を用いたりアレルギー性および刺激性誘因を避けることに加え,しばしばコルチコステロイドの外用薬を用いる。


アトピー性皮膚炎(AD)は,IgEが介在する型(外因型,症例の70〜80%)もあればIgEが介在しない型(内因型,症例の20〜30%)もある。

IgEの介在する型の方が特徴は明らかである;IgEの介在しない型は家族性に発症せず,特発性である。



●病因と病態生理

ADは主として都市部または先進国の小児が罹患する;米国では少なくとも5%の小児が罹患している。

ADは,喘息と同様に,アレルギー炎症性のT細胞免疫反応に関連がありそうである。

そのような反応は先進国で以前より多くみられるようになってきたが,その理由は,核家族化傾向,清浄な室内環境に加え,幼少時に予防接種が行われ抗生物質が使われるため,アレルギー性T細胞を抑制し耐性を誘導する感染やアレルゲンへの暴露が小児期に起こらないためである。

ADは遺伝的に本疾患に罹りやすい人で環境暴露が免疫反応を惹起するときに生じ,通常その免疫反応はアレルギー性(すなわち,IgE介在性)である。

よくみられる環境誘因には,食物(例,牛乳,卵,大豆,小麦,ピーナツ,魚),空気中にあるアレルゲン(例,チリダニ,カビ,フケ),内因性抗菌ペプチドの不足による黄色ブドウ球菌の皮膚におけるコロニー形成がある。

ADでは家族性の発症がよくみられ,遺伝的要因が示唆される。



疱疹性湿疹(カポジ水痘様発疹症)は,ADの患者に生じるびまん性の単純ヘルペス感染である。

典型的な集簇性小水疱が活動性のあるまたは最近生じた皮膚炎の部位に生じるが,正常皮膚も罹患することがある。

数日後に高熱およびリンパ節腫脹を来す。皮膚病変ではブドウ球菌の感染がよくみられる。

ときに内臓の感染を伴うウイルス血症が生じ,致死的なことがある。

他のヘルペス感染と同様,再発することもある。

皮膚の真菌感染,および尋常性疣贅や伝染性軟属腫といったヘルペスウイルス以外の皮膚感染症も,ADに合併することがある。



●症状と徴候

ADは通常乳幼児期,典型的な場合は3カ月までに出現する。

1〜2カ月続く急性期では,赤く滲出性の痂皮化病変が顔面に出現し,頸部,頭皮,四肢,腹部に拡大する。

慢性期では,掻破したり擦ったりすることにより皮膚病変が生じる(典型的な場合は紅斑と丘疹で,掻破が続くために苔癬化する)。

典型例では,肘窩,膝窩,眼瞼,頸部,手首に病変が生じる。

病変は徐々に消退して鱗屑を伴う乾燥した斑(乾皮症)になり,このような状態になると亀裂を生じて刺激物およびアレルゲンに対する暴露が促進されることがある。

年長児または成人では,強いそう痒が中心的病状である。

患者はかゆみに対する閾値が低下しており,かゆみは,アレルゲン暴露,乾燥した空気,発汗,局所的刺激,ウールの衣服,情動的ストレスで増悪する。



ADは全身に広がることがある。

細菌の二次感染や局所リンパ節炎がよくみられる。

外用薬を頻繁に使うと患者を多くのアレルゲンに曝すことになるかもしれず,これらの患者によくみられる全身性乾燥皮膚が病状を増悪・複雑化させるのと同様,接触皮膚炎を生じてADを増悪し,複雑化させる恐れがある。

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2014年07月13日

ビタミンB12と欠乏症(2)

●ビタミンB12と欠乏症(2)


●診断(2)

シリングテスト: 古典的悪性貧血のように,内因子欠乏症の診断が重要な場合にのみ,シリングテストは有用となる。

このテストは,ほとんどの高齢患者には必要ではない。

シリングテストでは,経口投与された遊離型の放射性標識ビタミンB12の吸収量を測定する。

放射性標識ビタミンB12を経口投与した後,1〜6時間内に1000μg(1mg)のビタミンB12を非経口にて投与するが,これは肝臓による放射性標識ビタミンB12の取り込みを減少させるためである。

吸収された放射性標識ビタミンB12は,その後尿中に排泄されるが,その尿を24時間採取する。

そして,尿中の全放射性標識ビタミンB12量の割合を測定する。吸収が正常であれば,投与された量の9%以上が尿中に現れる。

尿中への排泄が低下していれば(腎機能が正常の場合5%未満),ビタミンB12吸収不十分が示唆される。尿の採取が不完全の場合や,腎不全の場合,しばしばシリングテストを行うことや,結果の解釈が困難になる。

さらに,シリングテストでは,蛋白結合ビタミンB12の吸収を測定しないため,高齢者によくみられる,食物から摂取したビタミンB12の遊離障害は検出されない。


シリングテストは,ビタミンB12を補給することになり,欠乏症を覆い隠すことがあるので,他の全ての診断検査および試験的治療を行った後に初めて遂行されるべきである。

経口にて抗生物質を2週間試験投与した後,シリングテストを繰り返してもよい。

抗生物質による治療で吸収不良が改善されれば,可能性のある原因として,腸管での細菌の過剰繁殖(例,盲管症候群)が考えられる。



●治療

重度の欠乏症または神経症状や徴候がない患者には,ビタミンB12,1000〜2000μgを経口にて,1日1回投与してもよい。この大量経口投与は,内因子が欠如している場合にも,質量作用により吸収される。MMA値(ときに治療をモニタリングするために使用される)が低下していない場合は,患者がビタミンB12を服用していない可能性がある。より重度の欠乏症には通常,血液学的異常が改善するまで,ビタミンB12,1mgを1週間に1〜4回,数週間筋注投与し,その後,同用量を1カ月に1回投与する。血液学的異常は通常,6週間以内に改善するが(網状赤血球数は1週間以内に改善しうる),神経症状の消散にはさらに時間を要することがある。数カ月または数年間持続する神経症状は,非可逆的になる。ほとんどのビタミンB12欠乏症と認知症のある高齢者では,治療後に認知力は改善されない。ビタミンB12療法は,同欠乏症の病態生理学的機序が是正されない限り,一生涯続けなければならない。

完全菜食の母親をもつ乳児は,出生時よりビタミンB12の補給を受けなければならない。



以上
posted by ホーライ at 02:32| Comment(0) | TrackBack(0) | ビタミン剤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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